「脂漏性皮膚炎はステロイド剤を適量塗布で早期抑制(前編)」では、ニキビと脂漏性皮膚炎の違いについてご説明いたしました。後編では、 脂漏性皮膚炎 の 薬 やスキンケアについてご紹介いたします。
脂漏性皮膚炎はステロイド剤を適量塗布で早期抑制(後編)
脂漏性皮膚炎の処方薬とは?
脂漏性皮膚炎の場合、病院から処方される代表的な薬とはどういうものでしょうか。脂漏性皮膚炎に対してはステロイド外用剤が処方されることがほとんどになります。
ステロイドは強さがⅠ群(Strongest=もっとも強い)からⅤ群(Weak=弱い)という5段階にわかれています。Ⅰ群がもっとも強く、数字が大きくなるごとに効果が弱くなり、Ⅴ群がもっとも弱くなります。
患者が幼い子供の場合、キンダベートやロコイドは比較的よく処方されるようです。ステロイドの強さとしては下から2番目のⅣ群(Mild=中間)にあたり、比較的柔らかい効き目のものです。
アトピー性皮膚炎にも使用されます。ステロイド剤の中では効力も柔らかいことから顔での使用も可能となっています。ただし目の周りの薄い皮膚への使用は避けましょう。
アンテベートは効果の強さは上から二番目のⅡ群(Very Strong=非常に強い)にあたりますが、子供にも処方される薬です。
赤みや腫れのある炎症を抑える効果があります。赤みや腫れ、かゆみがひどく出ている場合は、最初は少し強めの薬を使用し、患部の状態によって効力の弱い薬に切り替えていくという形が取られる場合もあります。
ステロイド剤は医師の指導を無視して長期使用や過剰塗布することによって副作用が強く出る可能性もあります。
しかし逆に怖がって使用を避けることで完治を遅らせてしまったり、逆に悪化させてしまう場合もあります。ステロイド剤は正しい使い方をすれば的確な効果を示してくれる薬です。きちんと医師の指示に従って使用するようにしましょう。
日ごろからのスキンケアが重要
乳幼児は肌もまだ薄く完成されていないために、日ごろからのスキンケアがとても重要になります。
夏のように汗をよくかく季節には、汗をこまめにふき取ったり、濡れた洋服は着替える、ぬるめのお湯でお湯浴び、肌は乾燥させないようにカサカサし始めたらワセリンを塗るなどを意識的におこなうことが重要になります。
ぬるめのお湯でお湯浴びするということは、もし皮膚にすでにかゆみがあった場合、お湯の温度が高いとかゆみを増幅させてしまいます。またお湯浴びの際、一見石鹸を使ってきれいに肌を洗うことは非常に良いことに感じられます。
しかし乳幼児を始め、敏感肌の子供にとっては石鹸も刺激物になります。特に脂漏性皮膚炎は過剰分泌した皮脂を落とし過ぎても、皮膚が皮脂不足と判断して、どんどん皮脂を分泌しようとするため、適度に皮脂は残す必要もあります。
そして脂漏性皮膚炎に対し薬を塗布している場合、次第に塗布した薬にも汚れなどがついてしまい、放置することで皮膚を炎症させる原因にもなります。
そのため石鹸は1日1回程度にして、その際薬をしっかりと落とし、汗を流すためだけの場合は石鹸は使わないようにしましょう。
そして直接肌に触れる下着や洋服は、ウールなどを使ったものは肌に触れることでかゆみを増してしまうため、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維質のものはできる限り避けて、刺激の少ないコットンなどを選べると良いでしょう。
まとめ
脂漏性皮膚炎はステロイド剤を適量塗布で早期抑制(後編)
脂漏性皮膚炎とは?ニキビと脂漏性皮膚炎の違いは?
思春期から成人期の脂漏性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎の処方薬とは?
日ごろからのスキンケアが重要