「脂漏性皮膚炎は治療以外に生活改善も必須!(前編)」では、脂漏性皮膚炎の原因や治療法をご紹介いたしました。後編では、乳児期と思春期や成人期の脂漏性皮膚炎の違いについてご紹介いたします。
また、 脂漏性皮膚炎 は 治療 だけでなく生活面での見直しも必要となります。
脂漏性皮膚炎は治療以外に生活改善も必須!(後編)
乳児期と思春期や成人期の脂漏性皮膚炎の違いは?
脂漏性皮膚炎は乳児期だけでなく思春期や成人期も非常になりやすい皮膚病です。乳児期になる脂漏性皮膚炎は、月齢を重ねて皮膚細胞の発達が安定してくることで発症頻度も少なくなり、発症しても自然に治ることも増えてきます。
しかし思春期や成人期における脂漏性皮膚炎は、治療を重ねても何度も再発する可能性が高い皮膚病とも言われています。薬剤を使用しての治療も必要ですが、一方で生活面での見直しも重要となります。
生活面での見直しの一つ目は食生活の改善です。嗜好品ばかりに偏りがちな食生活は健康を害します。バランスの良い食生活をおこなうことが基本ですが、脂漏性皮膚炎など皮膚トラブルを避けるためにはビタミンB群の摂取が重要となります。
ビタミンB群は健康維持や肌を守るためにはもっとも重要といわれる栄養素です。成長著しい思春期には消費する栄養量が増えるにもかかわらず、バランスの良い栄養素の摂取量が追い付かず栄養素が不足してしまう状態となってしまいます。
ビタミンB群もその一つとされます。ビタミンB群は皮膚の新陳代謝を促す、ホルモンバランスの調整、肌のバリア機能を維持する、口や目などの粘膜の健康維持、頭髪の質を維持、貧血予防、自律神経の安定、血液循環をスムーズにするなど多くの働きがあります。
そのため不足することで上記のバランスが崩れて、肌トラブルをはじめとした体の異常があらわれてくるのです。
ビタミンB群が多く含まれている食品は青魚、チーズ、牛乳、玄米、レバー(牛、豚、鶏)、納豆、貝類(しじみ、赤貝、あさり)、たらこ、アーモンドなどです。
しかし肌トラブルなどを避けるために多く摂取したいと思っても、ビタミンB群は水溶性で体内に留まらせておくことが難しいため、少しずつでも頻繁に摂取することが重要です。意識して積極的に摂取するようにしましょう。
乳児期離乳食に取り入れる際には乳製品などをはじめアレルギーの対象となりうる食品もありますので十分注意が必要です。
生活面での見直しの二つ目は髪や肌を清潔に保つということです。皮脂は長時間肌に留まったままにすると、汚れが付くうえに酸化することで強い臭いを発生させ、肌に炎症を起こしやすい環境を作り出してしまいます。
一方で皮膚は適度な皮脂を保とうとする働きがあります。そのため頭皮や肌は頻繁に洗いすぎると肌が皮脂不足と判断してしまい、より皮脂分泌を増やしてしまいます。
しっかりと汚れを落とし、ターンオーバーを正常に保つために、朝の洗顔や夜の入浴時は洗顔料などを使って洗うようにして、そのほかの時間帯に洗顔する場合は、皮脂を落とし過ぎないために洗顔料の使用はできる限り避けましょう。
赤ちゃんの場合、暑い時期は汗をかくたびに入浴させるのではなく、頻繁に汗をふき取ったり着替えをするだけでも発症を抑制することもできます。
生活面での見直しの三つ目は睡眠をしっかりととるということです。思春期や成人期は、勉強や部活、仕事などで毎日が多忙で睡眠不足に陥りがちです。しかし睡眠不足は、肌トラブルだけにとどまらず、体のさまざまな箇所に影響をもたらせます。
意識して早寝を実行するようにしましょう。なお上記の改善を試みても脂漏性皮膚炎が緩和されない場合は、早めにきちんと病院でみてもらいましょう。
一度脂漏性皮膚炎を発症してしまうと、適切な薬での治療をしない限り改善が難しいことも多いうえに、再発率も高い皮膚炎です。しっかりと病院を受診し、集中的に治療をおこなうことが完治への近道ということです。
まとめ
脂漏性皮膚炎は治療以外に生活改善も必須!(後編)
乳児期と思春期や成人期の脂漏性皮膚炎の違いは?