心室中隔欠損症は代表的な先天性心疾患です。多くの母親は突然の心疾患診断を受けることで驚き動揺が隠せません。発症した子供のうち半数ぐらいは1年以内に自然に元に戻ります。
ここでは 心室中隔欠損症 について原因や症状そして治療方法を詳しくまとめました。
子供の心臓に異変。心室中隔欠損症の原因と症状や治療方法
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どのような病気なのか
心室中隔欠損症とは乳幼児の先天性疾患のうち60%を占めていて割とよくみる心疾患です。心室中隔欠損症で治療が必要なのは約20%です。心臓は4つにわかれています。右心房、右心室、左心房、左心室です。心臓は拳くらいの大きさで心筋という筋肉でできています。
心臓は血液で全身に酸素と栄養を送る働きをします。1分間に約70回の拍動を繰り返すポンプの役割を休むことなく続けています。その働きにより人は生きることができるのです。
右心室と左心室の壁となる中隔に孔という穴ができる病気です。中核に孔があることで圧の高い方から低い方に血液が流れ肺動脈につながります。
流れる血液の量は孔の大きさで違い、量が多ければ肺血管に障害を受ける可能性もあります。右心室狭窄や大動脈弁の変形があるときは早期に手術が必要です。
症状
心室中隔欠損症の症状は心雑音が聞こえます。生まれてすぐには聞こえないこともありますが1週間もすると心雑音が聞こえます。左心室から右心室に流れる血液の量により心臓や肺への負担が異なり症状も違います。
乳幼児の早い時期に心不全症状があらわれることもあります。また流れる血液の量がほとんどないときには無症状のまま経過することもあります。しかし生後2~3ヶ月になる頃に孔が大きいときは心臓に負担がかかります。
呼吸回数が多く荒い、ミルクの飲みが悪くて体重増加がみられない、元気がなく汗をかきやすくなれば症状は進行しています。
心不全や肺うっ血があり肺血管異常のときは利尿剤や強心剤が処方されます。この処方で心臓や肺の状況は改善されますが病気そのものの治療ではないので心臓手術は必要になります。
原因
心室中隔欠損症の原因として子宮の中で育ち始めた胎児20日頃に心臓の元になる1本の管ができ拍動を始めます。その後も管は成長して血液逆流を防ぎます。4つの弁や血液の混合を防ぐために心室中隔、心房中核ができます。
心臓の筋肉に血液を介して酸素と栄養を送るため拍動を繰り返す刺激電動組織ができます。胎児50日頃には心臓ができあがります。
心臓ができあがる過程で遺伝子に異常がみられると先天性心疾患に関係します。原因の多くは赤ちゃんの遺伝子異常です。妊娠中の生活にも原因が考えられています。妊婦の喫煙や飲酒、薬の使用や風疹ウイルス感染も考えられています。
治療方法
心室中隔欠損症の治療方法としては外科的手術が主流です。合併症もなく血液の流れが少ないときは手術せずに心内膜炎感染に注意をしながら経過観察をします。肺高血圧症の合併があるときは早期に手術が必要です。
しかし全身状態が悪いときは事前に肺動脈の手術をして狭くしておきます。その上で心肺機能が改善したことを確かめて根治手術を選択することができます。
手術は低年齢化しています。心不全症状が進行している場合は1歳未満で行います。それ以外では輸血なしですむ2歳~4歳で手術します。
欠損している孔にパッチを糸で縫い付けて閉鎖します。人工心肺で体外循環を維持して心臓の鼓動を停止させて手術をします。縫い付けたパッチは時間経過とともに完全に心臓と同化するので成長しても取り替えする必要はありません。
検査と診断
心室中隔欠損症の検査と診断は子供の様子を両親からの問診で聞き取ります。心電図、胸部X線、心エコー場合によれば心カテーテル検査をします。ここまで検査をすることで心臓異常そのものだけでなく部分の詳細情報も得られ確かな診断ができます。
心疾患の診断を受けて手術の話を聞くと両親は不安になります。ですが先天性心疾患の手術は病院設備の技量も上がり成功率はほぼ100%です。
子供の笑顔があるからこそ家族の明るい団欒があります。先天性心疾患を怖がる必要はありません。子供の様子を観察しながら見守ると子供の気持ちも落ち着きます。親子で病気と向き合い治療に励む大切な絆を深めることができます。
まとめ
子供の心臓に異変。心室中隔欠損症の原因と症状や治療法
どのような病気なのか
症状
原因
治療方法
検査と診断