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対策が進む新生児メレナ

kata

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shinseijimerena

メレナとは消化管などからの出血が便として排出されたもののことで、黒色便(タール便)のことを言います。 新生児メレナ とは、新生児が下血し黒色便を排泄している状態のことです。新生児が下血する背景には、いったい何があるのでしょうか。


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対策が進む新生児メレナ


- 目次 -

  • 消化管上部での出血が原因になる新生児メレナ
  • ビタミンKが不足している新生児
  • ビタミンK欠乏性出血症はどんな症状が現れるのか
  • 新生児に投与されるビタミンK
  • 現在の新生児メレナで考えられる原因とは
  • 真性メレナと仮性メレナ

消化管上部での出血が原因になる新生児メレナ

新生児メレナは、下血を伴う新生児出血性疾患の一つで、真性メレナとも呼ばれています。通常、血液が混ざった便は、鮮やかな赤や暗赤色のものを「血便」、黒くなったものを「黒色便」「タール便」として分別しています。

赤い血便は、大腸など肛門の近くで出血が起こった場合に見られます。一方、黒色便、タール便は、胃や十二指腸、食道といった消化管の上部で出血した場合に見られ、血液が胃酸に反応するため便が黒くなります。

新生児メレナは、便が「黒色便」「タール便」になった状態のため、消化管上部での出血によるものだと考えられます。


ビタミンKが不足している新生児

新生児が消化管から出血する原因として多いのが、ビタミンK欠乏性出血症です。身体のどこかからか出血した場合、その出血を止めるには、血液を凝固させる必要があります。この血液凝固因子は肝臓で生成されるのですが、生成するときにビタミンKが必要不可欠です。

実は、新生児は、このビタミンKが不足しているのです。ビタミンKは体内で産生できません。よって、食べ物から摂取するか、腸内細菌によって産生されたものを吸収するかのどちらかしか方法がありません。ところが、母乳は、ビタミンKの濃度が低いことが知られています。

また、新生児の腸内細菌が、ビタミンKを産生できるようになるまでには数日を要します。そのため、生後24時間~5日ごろは、新生児のビタミンKが最も不足する時期だと考えられています。

さらに、ビタミンKは胎盤通過性が悪いため、新生児はお腹の中にいる間に、母親からビタミンKをたくさん受け取っているわけでもないのです。


ビタミンK欠乏性出血症はどんな症状が現れるのか

ビタミンK欠乏性出血症は、発症する時期によって早発型と遅発型に分かれ、症状が異なります。早発型では、生後2~7日ごろに消化管出血を起こし、吐血や下血が見られます。全身が出血しやすくなっている状態ですので、臍出血や皮下出血を認めることもあります。

多くは、貧血やショックを起こすような出血量ではないので、全身状態は良好です。

一方、遅発型では、生後1~2カ月たってから発症し、頭蓋内出血を起こすことが知られています。突然の嘔吐やけいれん、意識障害といった症状が現れ、予後も不良です。


新生児に投与されるビタミンK

現在では、こうしたビタミンK欠乏による出血を起こさないようにするために、新生児にはK2シロップが投与されています。K2シロップは、1mL(2mg)を計3回、経口投与する方法が標準的です。

1回目の投与は、出生後、数回の哺乳が確立した後。2回目は生後1週間程度で、主に産科を退院するときに投与されます。3回目は生後1カ月ごろで、1カ月健診のときに投与されます。完全母乳で育てている場合は、生後3カ月まで毎週投与することもあります。

こうしたK2シロップの3回投与法は、1980年に厚生省(当時)によって勧告されたもので、当時はさまざまな見解がありましたが、現在では有効性が認められています。この3回投与法が定着した結果、ビタミンK欠乏性出血症は激減しました。


現在の新生児メレナで考えられる原因とは

ビタミンK欠乏性出血症が減少した現在、新生児メレナの原因として考えられるのは、次のような消化管出血疾患です。

  • 易出血性疾患(血小板減少症、血友病など)
  • 消化管の虚血性変化(壊死性腸炎、腸重積、腸軸捻転など)
  • 消化器の炎症(細菌性、ウイルス性)
  • アレルギー、食物不耐症(ミルクアレルギー、乳糖不耐性)

こうした、さまざまな疾患が原因とされています。


真性メレナと仮性メレナ

新生児メレナを「真性メレナ」と呼ぶのに対し、「仮性メレナ」と呼ばれるものもあります。仮性メレナも黒色便を排泄するのですが、原因は出血ではありません。分娩時に母親の血液を新生児が飲み込み、それが2~3日後に排泄されるのです。

新生児の身体から出血しているわけではないので全く心配はいりませんが、黒色便が真性メレナなのか仮性メレナなのかを見極める必要があります。

判定は、Apt試験で行います。Apt試験とは、血便を蒸留水で希釈・溶血したものに、水酸化ナトリウム溶液を加えて色の変化を見るものです。実は、新生児の血液中のヘモグロビンは胎児型と呼ばれ、成人のヘモグロビンと性質が異なります。

新生児のヘモグロビンはアルカリ抵抗性であるのに対し、成人のものはアルカリに不安定なのです。Apt試験では、その特性を利用します。水酸化ナトリウム溶液を加えて1~2分で黄褐色に変化すれば母体血(成人型)、ピンクのまま変色しなければ新生児のもの(胎児型)と判定します。

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まとめ

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現在の新生児メレナで考えられる原因とは
真性メレナと仮性メレナ

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