ロタウイルスが原因となる胃腸炎では小さな子供の重症化が多くみられます。根本的な治療法がない胃腸炎では予防接種による重症化の予防は非常に大切になります。任意の 予防接種 についての理解を深め、子供を ロタウイルス から守ることが重要です。
効果の高いロタウイルスの予防接種で子供を感染から守る(前編)
ロタウイルスとはどのようなもの?
ロタウイルスによって引き起こされるのは下痢や嘔吐が症状としてあらわれる胃腸炎です。胃腸炎の原因となるウイルスは複数ありますが、その中でもっとも重症化しやすいのがロタウイルスによるものとされています。
ロタウイルスが原因の胃腸炎では、水様性の下痢が頻発し、さらに嘔吐を伴います。下痢と嘔吐が激しいため、水分摂取がうまくいかず脱水症に陥る子供もたくさんいます。
大きなくくりでロタウイルスと呼ばれていますが、多くの型が存在するため、何度でもかかります。ほとんどの子供が5歳になるまでに1度はかかると言われています。2度以上かかると重症化の可能性が低下します。
感染力が非常に強く、幼稚園や保育園などの集団保育の場では大きな流行をみることがあります。手洗いやうがいによる予防も重要ですが、これらの措置だけでは感染した場合の重症化を防ぐことができません。
ロタウイルスによる胃腸炎にかかると対症療法で乗り切るしかないため、予防接種を受け、重症化させないということが非常に大切になります。
ロタウイルスの予防接種
ロタウイルスによる胃腸炎は予防接種を受けることで、点滴や入院が必要となるような重症例を9割減らすと言われています。胃腸炎に罹患しないようにすることはできませんが、かかってしまった際の重症化は防げるというわけです。
ロタウイルスワクチンについては世界中で調査が行われており、安全性も高いことが確かめられています。WHO(世界保健機関)も2009年6月に、ロタウイルスの予防接種を子供のための最重要ワクチンと定めています。
接種開始初期に使われていたロタシールドというロタウイルスワクチンは接種した後に腸重積の発生増加がみられたため、発売中止になりました。
現在はロタテック、ロタリックスなどのワクチンに切り替えられ、接種が勧められています。これらのワクチンでは、接種時期を厳守することで安全性が確立されると考えられています。
ロタテックは5つの成分を含む5価ワクチンで頻度的によくあらわれるとされる型のウイルスに効果があります。
ロタリックスは最も頻度が高くあらわれるG1P[8]型という型にだけ対応した1価ワクチンですが、他の型に対しても免疫を作るとされています。したがって、多価ワクチンと同様の効果があると考えられています。
どちらのワクチンを使用するかについては、それぞれの小児科で異なるため、接種したいワクチンが決まっている人は事前に確認するようにしておくと安心です。
まとめ
効果の高いロタウイルスの予防接種で子供を感染から守る(前編)
ロタウイルスとはどのようなもの?
ロタウイルスの予防接種