りんご病 は、発病するとりんごのように頬が赤くなることから、「りんご病」と呼ばれていますが、その正式な名称は伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)といいます。
春から初夏にかけて、子供の間で流行することの多いりんご病ですが、大変な病気ではないので、大きな心配をする必要はありません。
それでは、りんご病とは一体どのような病気なのか、その 症状 とケアについて詳しく見ていきましょう。
春から初夏にかけて子供の間で流行する、りんご病。
その症状は?
りんご病の症状
りんご病は微熱程度の発熱や、体がだるくなるなどの風邪に似た症状から始まります。
風邪症状が現れた後、1週間ほどすると、両側の頬に斑点状の赤い発疹が出始めます。それから2日ほど経つと、レース状のまだらな発疹が腕や足の外側などにも広がっていきます。頬にほてりを感じたり、かゆみを伴ったりすることもあります。頬の発疹は、2日ほどで消え、腕や足の発疹も1週間ほどで自然に消えていきます。
軽い病気ですが、まれに意識障害を伴う脳炎や、溶血性貧血などの合併症を引き起こすことがあります。
また、一度りんご病にかかると、免疫ができ、2度とかかることはありません。ですので、大人がりんご病にかかることは少ないです。
りんご病の原因
春から初夏にかけて、幼稚園児や小学校生の間で流行することの多いりんご病ですが、その原因は、ヒトパルボウィルスB19です。感染者のせきやくしゃみなどを介して飛沫感染することでりんご病を発病します。5~10日の潜伏期間の後、症状が出始めます。
ヒトパルボウィルスB19は、骨髄の中の赤血球を作る細胞を破壊してしまうウィルスです。健康な人には問題のないウィルスですが、先天性溶血性貧血などの持病のある人がりんご病を発病すると、貧血がひどくなったりすることがありますので、注意が必要です。
また、免疫力の下がっている妊婦がりんご病にかかると、胎児にも感染し、胎児が重度の貧血を起こすことがあります。その結果、胎児の発育に問題が生じ、場合によっては流産になる危険性もあります。ですので、りんご病は持病のある人や、妊婦にとっては、十分に気をつけなければならない病気といえます。
りんご病の治療とケア
りんご病に効く薬はなく、特に治療の必要のない病気です。発疹の症状以外は、元気なことがほとんどですので、普段と同じように生活をして構いません。
ただ、運動をしたり、日光に当たったりすると発疹の赤みが増すことがあるので、りんご病の発疹があるうちは、外出を避け、家の中で静かに過ごしましょう。また、熱いお湯に浸かると発疹の赤みが強くなり、ぶり返してしまうことがあるので、入浴は避け、シャワーだけにしましょう。
発疹のかゆみが強い場合には、抗ヒスタミン剤や、関節痛を伴っている場合には、鎮痛剤が処方されることもあります。
りんご病は、風邪症状が出ているうちは感染力がありますが、発疹が出て、りんご病との診断が出た時点では、すでに感染力はなくなっています。ですので、子供が元気な様なら、幼稚園や学校をお休みする必要はありません。
りんご病に効く予防注射はなく、りんご病と診断される前に感染が拡大してしまうため、予防するのが難しい病気です。ですので、周囲でりんご病が流行している間は、いつも以上に手洗いうがいを徹底しましょう。
病院受診の目安
大抵の場合、病院を受診する必要はありませんが、子供の元気がなかったり、発疹がひどくなったりした場合には病院を受診しましょう。また、妊婦の場合は、りんご病が疑われた時点で速やかに受診することが大切です。もともと持病のある人も、合併症の危険があるため、周囲でりんご病が流行し始めたら、一度医師に診てもらうといいでしょう。
まとめ
春から初夏にかけて子供の間で流行する、りんご病。その症状は?
りんご病の症状
りんご病の原因
りんご病の治療とケア
病院受診の目安