りんご病 は、その名が表す通り、りんごのように両側の頬が真っ赤になるのが特徴的な病気です。正式名称は、伝染性紅斑で、りんご病というのは通称です。
子供だけではなく、大人もかかり、妊婦など一部の人には注意が必要な病気です。
子どもからの感染にも気を付けたい、りんご病。
りんご病の症状とは。
りんご病は、最後に現れる症状の頬の赤みで気づく人が多い病気です。実は、頬が赤くなる前から症状が出ているのですが、発熱、頭痛、鼻水、せき、倦怠感、悪寒などごく普通の風邪と同じような症状であるため、りんご病と気づく人はほとんどいません。発熱などの症状が現れてから5~7日ほどで頬の発赤が現れます。
子供の場合は、発熱やせき、鼻水などは出現せずに、頬や体の赤い発疹だけで終わってしまうことも少なくありません。
頬に赤い発疹が出始めてから1日~4日ほどすると体幹や手足にも発疹が広がっていきます。鮮やかな赤色で平坦な発疹であるのが特徴です。
体や手足にできる発疹は、ある程度大きくなると徐々にレースのような模様に変わっていきます。発赤が見られる間は、かゆみが出ることもあります。
りんご病の原因とは。
りんご病は、ヒトパルボウィルスB19型が原因の感染症のひとつです。初めての感染で発症し、免疫は長く保たれるため、普通は一度しかかからない病気です。
感染力はあまり強くはないとされていますが、幼稚園や学校などでは小さな流行が起こります。一年中みられる病気ですが、特に春先から夏にかけてはりんご病の子供が多くなります。
りんご病の潜伏期間。
りんご病の潜伏期間は、うつってから発疹が出るまででおよそ10日~20日間とされています。りんご病の場合、最も感染力が強いのは、頬の発赤が出る前の風邪のような症状を呈している時です。
頬の赤みが出て、りんご病だと確定診断される時には、すでに体内のウィルスは減少しているので、感染力は弱まっています。
頬の発赤が出た時点での幼稚園や学校の欠席はあまり意味がないため、学校保健法では出席停止の扱いにはなりません。ただ、地域や学校の方針で、頬の赤みがある間は学校を休ませるというところもあるようです。かかりつけの小児科医や、学校の方針に従うようにしましょう。
りんご病の治療方法。
りんご病のウィルスそのものに効く薬はないため、対症療法での治療となります。経過がそれほど重症になる病気ではないので、そのまま自然治癒を待つことも多くあります。
発赤が出ていて、かゆみが強い場合は、かゆみ止めを処方されることもあります。発赤は日光に当たると、悪化することがありますので、頬や体に赤みがある間は、直射日光には当たらないように気を付けます。
発赤は、早いと3日ほどで、長くても2週間ほどで消えていきます。一度消えたと思っても、強い日光に当たると再び現れることもありますので、しばらくは直射日光には気を付けることが必要です。
大人のりんご病。
子供の頃に一度もりんご病にかかったことがなかったり、かかっていても免疫が十分ついていないと、大人になってからりんご病を発症することがあります。自分の子供がりんご病にかかって、そこから親が感染してしまうというケースが多いようです。
大人のりんご病では、頬の赤みは軽いことが多いですが、しばしば発熱や関節痛が見られます。ひどい時は、関節が曲がりにくくなり、日常生活に支障をきたすほどになります。関節の症状などから、リウマチなどと間違われることもよくあります。
注意が必要なのは、妊婦になってかかるりんご病です。免疫のない妊婦がりんご病にかかると、お腹の胎児にも感染してしまうことがあります。
特に妊娠初期から中期にかけてのデリケートな時期にりんご病に感染すると、胎児が重い貧血状態になり、「胎児水腫」を引き起こすケースがあると言われています。
ですが、原因ウィルスであるヒトパルボウィルスB19型の感染が確認されている新生児もいるため、すべての感染が流産を引き起こすというわけではありません。
二人目の子供を妊娠している時に、上の子がりんご病に感染したり、幼稚園や学校での流行がみられる時には、かかりつけ医に相談してみるようにしましょう。
胎児水腫は、超音波検査で確認することができます。妊娠中にはできるだけ、りんご病の患者とは接触しないように注意することが大切です。
まとめ
子どもからの感染にも気を付けたい、りんご病
りんご病の症状とは
りんご病の原因とは
りんご病の潜伏期間
りんご病の治療方法
大人のりんご病。