リンゴ病は多くの子供がかかるありふれた病気です。特徴的な頬の赤みが出た時点で他の人への感染の可能性は低くなりますが、妊娠中に感染すると胎児への感染リスクが高く、最悪の場合死産に至ります。 リンゴ病 の病態の経過を知って、感染を広げない工夫をするようにしましょう。
リンゴ病と判明した時にはすでに感染力は低下しています
- 目次 -
リンゴ病とは
よく聞かれるリンゴ病という名称はいわゆる通称で、正しくは「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」という名前の病気です。小さな子供の症状として両方の頬が真っ赤に染まることから、リンゴ病という通称が使われるようになりました。
リンゴ病は小さな子供や赤ちゃんだけではなく、大人でも感染します。命にかかわるような重症となることはあまりありませんが、妊娠中の女性が感染すると胎児へ感染することもあります。リンゴ病に感染した妊婦のうち、7割が死産や流産に至ったという厚生労働省の報告もあります。
二人目を妊娠している時に、上の子の幼稚園や保育園で感染してしまうケースが多いため、妊娠中の女性は特に注意が必要です。
原因
リンゴ病の原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスです。ウイルスを保持している人のくしゃみや咳、よだれなどから感染が拡大していきます。5歳~9歳の年代の子供に特に多くみられる病気で、0歳~4歳の感染も多いとされています。
特に春ごろから7月ごろにかけて、小学校や幼稚園などで流行が見られます。9月は一番症例数が少ないとされますが、5年ごとにみられる大流行時には季節は関係なくなると言われています。
症状
リンゴ病に特徴的な赤い頬の症状があらわれる前に、微熱や鼻水、咳といった風邪のような症状があらわれます。潜伏期間は7日~21日ほどだと言われています。風邪のような症状があらわれてから7日ほどすると頬に特徴的な赤い発疹があらわれます。
赤い発疹は徐々に融合していき、両方の頬は平手打ちをした時のように真っ赤に染まります。1日~2日ほどすると、赤みは手足に広がっていきます。赤い発疹の中央部分が退色していき、次第にレースのような模様状、地図状、大理石の紋様状になっていきます。
赤い発疹はかゆみを伴うこともあります。赤くなった部分が日光に当たると、かゆみが強くなったり、赤みが増したりしますので注意が必要です。2~3週間ほどすると自然に治っていきます。
治療
リンゴ病特有の発疹があらわれてから消えるまで2週間から3週間ほどかかります。頬の赤みがあらわれた時点でウイルスの排出はおさまっているので、リンゴ病であると確定された後にできることは対症療法のみです。赤い発疹のかゆみが強い時はかゆみ止めが処方されることもあります。
赤い発疹がひどい時は日光や入浴に気を付けます。直射日光にできるだけあたらないようにするため、つばの広い帽子をかぶったり、長袖長ズボンを着用したりして、発疹の出ている箇所を覆うようにすると良いでしょう。
皮膚が温まると発疹がひどくなったり、かゆくなったりすることがあります。入浴はさっとシャワーを浴びる程度にして、あまり長く湯船に浸からないようにしましょう。
リンゴ病に気づいたら
頬の赤みがあらわれた時点で感染力はかなり低下しているので、学校や幼稚園に登校、登園してもほかの子供に感染させることはあまりありません。ただ、リンゴ病は頬が真っ赤になるため、一目で感染がわかる病気です。
頬の赤みが強い時に登校させると、リンゴ病についてあまりよく知らない他の保護者から非難されることもあるようです。地域の慣習などもありますので、かかりつけの小児科医に相談の上、頬の赤みが引いてきたら登校すると安心です。
下の子を妊娠している時に、上の子供がリンゴ病に感染していることがわかったら、まずはかかりつけの産婦人科で相談してみましょう。妊婦がリンゴ病に感染するとリスクが高いため、血液検査で原因ウイルスのヒトパルボウイルスB19の抗体があるかどうかを確認できる場合があります。
飛まつ感染、接触感染で広がっていく病気ですので、ほかの家族はできるだけ手洗い、うがいをしっかりと行い、マスクをするなどして感染拡大させないように気を付けましょう。
まとめ
リンゴ病と判明した時にはすでに感染力は低下しています
リンゴ病とは
原因
症状
治療
リンゴ病に気づいたら