最近よく耳にするptsdという言葉ですが、震災や戦争を体験した人に多くみられることは知られています。しかし、どんな症状がptsdかをきちんと知っている人は、多くはありません。
ここでは、子供にもあらわれる ptsd の症状と 診断 基準について紹介します。
子供のptsd、症状と診断基準を知っていますか?
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ptsdの原因はなんでしょうか
ptsdはposttraumatic stress disorderの略で、命が危険な目にあった時に、精神的な衝撃を受けることで発症するストレス障害のことで、心的外傷後ストレス障害といいます。
原因は、大きな地震、洪水、火事、事故、戦争、いじめ、テロ、虐待、強姦、モラハラ、パワハラ、体罰、DVなど、さまざまです。ptsdは、大人と子供では原因が同じでも、出てくる症状が違ってくるといわれています。
ptsdはどんな症状が出るのでしょうか
大人の場合は、つらい記憶がよみがえり、感情が不安定になり悪夢をみたりします。また、常に神経が緊張し、神経過敏になり、睡眠不足になったりします。このような症状が1カ月以上続くとptsdと考えられます。しかし、子供は年齢によって、子供特有の違った症状が出てきます。
小さい子供は大人が気付いてあげないと、自分で訴えることはできないので、小さな変化に注意しておくことが大切です。次に詳しく説明します。
子供のptsdの症状とはどんなものでしょうか
子供のptsdは年齢によって症状が変わってきます。
3歳位までは、大きな音に驚いたり、夜眠れなかったり、機嫌が悪くなることが多く、分離不安になったりします。トイレトレーニングがうまくできなくなり、体が硬直したり、家の中に引きこもったりします。
小学校に上がるころには、不安を口にするようになり、悪夢をみたり、睡眠障害がおこったりします。自分が体験した恐怖を繰り返し話題にすることもあれば、逆に無口になったりします。今まで出来ていたことができなくなったりもします。
小学校の高学年になると、不安や恐怖を繰り返し表現しますが、同じ事が起きないかと不安定な状態にもなります。まわりの物に興味がなくなり、集中力が低下します。ひきこもりになることもあれば、攻撃的な態度をとったりします。失禁などトイレの失敗をすることもあります。
中学生以降は思春期になるため、症状は複雑になり、摂食障害や人間関係に変化が出てきたりします。家庭で心を閉ざしてしまったり、引きこもったりします。
子供のptsdの診断基準はありますか
ptsdの症状が1カ月以上持続している時にptsdと診断されます。診断基準は米国精神医学会の基準によって決められています、またWHOの基準も使われることがあります。
どちらにしても、死に直面するような出来事を体験したり、そういう場面を目撃したかということが前提になります。その上で、前述のような症状が1カ月以上継続し、社会的、精神的機能障害をおこしている場合ptsdと診断されます。
3カ月未満の場合は急性ptsd、3カ月以上であれば慢性ptsdといわれています。また、ptsdを発症した人のうち50%がうつ病や不安障害を併発しているので注意が必要です。
心の傷は目に見えないため、ちょっとしたことに気がつかないこともあります。大人でもわかりにくいかもしれません、ましてや小さい子供はptsdかどうかを発見することは難しいかもしれません。疑わしいと感じたら、すぐに専門家に相談することが大切です。
ptsdと診断された子供との接し方は、どうすればいいでしょうか
ptsdの患者は過去の出来事を思い出し、パニック状態になってしまうことがありますが、受け止める方が感情的にならないようにしましょう。自分に起こった恐怖体験を自ら話し始めたら聞いてあげてください、無理に話をさせることは厳禁です。
ptsdの症状は急に発症することもあれば、だんだんと症状が出てくることもあります。また、何カ月もたってから発症したり、何度も繰り返し発症することもあります。
ptsdを克服するには時間がかかりますが、周りの人たちが理解をもって冷静に対応することが大切です。
まとめ
子供のptsd、症状と診断基準を知っていますか?
ptsdの原因はなんでしょうか
ptsdはどんな症状が出るのでしょうか
子供のptsdの症状とはどんなものでしょうか
子供のptsdの診断基準はありますか
ptsdと診断された子供との接し方は、どうすればいいでしょうか