最近子どもの様子がどうも心配だ…という心配や、医師から後に症状が出るかもしれないと予告があった場合などありますが、子どもが ptsd と診断された時、周囲の大人はどのような 接し方 をすると回復へ向かうでしょう。
大人が不安定な状態は子どもに伝わりますから、慌てずに参考になさってみてください。
子どもがptsdとわかった後の接し方
ptsdの子どもへの最初の一歩
現在はさまざまな情報がネットなどから得ることができますから、お子さんの異変に気づいた時は可能性を探ってみるのも良いでしょう。
しかし、きちんと治療と回復を目指すには、先ずは医師の診断をきちんと受け、その子どもがどのようなストレスを抱え、どのように表現しているかをきちんと把握したうえでの対処法を取ることが肝要です。
ptsdの原因は、大きな出来事によって心に傷を受けその傷が癒されずにストレスとなり、生活や性格に障害をもたらすという症状ですが、その原因によって複雑化(c-ptsd)している場合もあり、アプローチの仕方も変わってきます。
子どもが幼児である場合は、心理士や精神科医との関わりはそれほど困難ではないでしょうが、思春期などの子どもの場合は、精神科の受診と診断をマイナスにイメージすることも考えられます。
先ずは保護者が受診し、その後「診断・治療」を強調するのではなく、気軽さを伝える方法で促すとよい場合もあります。
その後の通院も考えて医療機関を選択するとよいでしょう。
ptsdの子どもの状態
ptsdの子どもに接するにあたり、大事なことは周囲が安定した状態であることです。大きな自然災害の場合は環境が不十分であると考えられますが、接する大人が不安を抱えていては子どもが安心できません。
注意したいのは、幼児であっても親に心配をかけまいと自身の感情を抑え込もうとする子どもいますから、関わる大人が連携して安定を示すことは重要です。
不安の原因は子どもの成長段階によりますが、「その出来事が整理できていない」でいることがあります。出来事の整理とは、その前後から自分自身の将来なども含まれます。
例えば
地震とは何なのか、なぜ起きるのか → 自分のせいなのか、また起きるのか。
外傷後 → どうしてこのような傷を負ったのか、治るのか、自分の生活に影響があるのか
こういったように心配が内部で解決していない状態にあるため、直後の記憶が蘇ることや鮮明なまま記憶に留まっています。
具体的な接し方
- 安定した状況で大人が子どもの言葉に良く耳を傾けます。
- 子どもが感情を表現できるように促していきます。
- 少しずつ一般的な日常に参加していくことを推進し、その中で感じる子どものストレスはどのようなものかを伝えていきます。
- どのように軽減していくか、整理していくかを子どもに寄り添いながら話し合えると良いでしょう。
c-ptsd(慢性的から複雑化した状態)
c-ptsdとptsdは同じストレス性の病気ですが、原因が、いじめや虐待など長期に続いた場合や性的犯罪はptsdが慢性的になり治療は困難です。
このような原因の場合、引きこもりや人間関係の構築に問題点などの症状があり、ptsd以外に二次的な障害に発展しているケースも少なくありません。
自己嫌悪、自分に責任があるのではないかと自分を責めている子どももいます。そして、自分を責めることによって悪化させていきます。
ptsdの治療には、原因と向き合い理解し慣れていくという過程もありますが、孤立した状態ではできません。しかし、他人に話すことが更に大きな負担にもなるので複雑な段階を必要とします。
優先されるのがptsd以前に二次障害になっているものからとなることもあります。
ptsdの治療の回復と寛解
ptsdの原因となった出来事の記憶は完全に消えることはありません。ptsdの治療のゴールは忘れることや思い出さないことではないのです。
ptsdの治療としては、原因の出来事を思い出しても苦痛に感じなくなった、ふとしたことであまり思い出さなくなった、思い出しても緊張が極限まで達しなくなったなどの状態を回復として目指します。そして、回復した状態を保っていられることを寛解といいます。
ptsdは、焦らずに自分を責める押し込めるようなことをせず、ゆっくりと必ず良くなると信じながら周囲と理解し回復へ向けると良いでしょう。
まとめ
子どもがptsdとわかった後の接し方
ptsdの子どもへの最初の一歩
ptsdの子どもの状態
具体的な接し方
c-ptsd(慢性的から複雑化した状態)
ptsdの治療の回復と寛解