皆さんは『おたふく風邪』と聞いて、どんなイメージを持ちますか?両方の頬が腫れる、痛がる、なかなか治らない、でも1度かかれば免疫ができる・・・という認識だと思います。
この おたふく風邪 に効果のある薬はありません。初期 症状 をきちんとチェックして、一番怖い合併症を引き起こさないようにしましょう。
これはおたふく風邪…?様々な症状からチェックしてみましょう!
おたふく風邪とは?
一般的におたふく風邪と言われるこの病気、正式名称は『流行性耳下腺炎』と言います。この名称の方が症状を簡潔に表していると思います。ムンプスウイルスによる唾液などの飛沫感染や接触感染で広がっていきます。
ウイルスの潜伏期間は2~3週間で、その後に両側の(もしくはまれに片側のみ)耳の下のリンパ腺が腫れて痛みをともないます。腫れ自体は、3日~長くとも1週間程度でひいていきます。
おたふく風邪の初期症状
お子さんの顔の周りが、いつもよりふっくらしているなぁ、何となくエラが張っているような気がするなぁと思ったら、それはおたふく風邪かもしれません。意外に思うかもしれませんが、おたふく風邪に罹った子どもの2割から3割は症状が軽くで済んだり、症状自体が出ないこともあります。
軽くで済めば万々歳なのですが早めに対処しないと、とんでもない合併症を引き起こすこともあります。次の初期症状に注意して、お子さんをしっかり観察していきましょう。
首の痛みや違和感を感じていないかどうか?
初期の症状にこれがあります。首をさわったり、回してみたり、いつもと違う行動をしているなぁと思ったら経過を見ておきましょう。
耳の下や耳の後ろを触ると痛がって嫌がる
おたふく風邪の典型的な症状です。腫れて熱をもっています。早めの受診が必要です。
耳の下から顎にかけて左右とも同時に腫れていないか?その周囲はどうか?
『左右とも』というところが重要なポイントです。『左右とも同時に腫れている』場合はおたふく風邪なのですが、もし『片側だけ』の場合は、似たような別の病気の可能性もあります。片側だけの場合は、おたふく風邪の判別がつきにくくなります。
口が開けづらくなっていたり、食べ物を飲み込みにくかったりしていないか?
耳下腺だけでなく、唾液腺(梅干しやレモンを想像すると、きゅうっとなって唾液が出てきますよね?)や舌下腺(あごの下、喉の左右あたりです)までも炎症をおこしますので、飲み込むことが辛くなり、食欲がなくなりがちになります。
腫れとともに、熱はないか?
そこまで高い熱ではありませんが、38℃台の熱が3~4日続きます。頭痛や嘔吐を訴えることもあります。
親は誰でも、子どもに病気になってほしくないと願っています。それがたとえ鼻風邪だとしても、出来る限り健康で元気に過ごしてもらいたいものです。だた、例外としておたふく風邪のように『早めにかかってくれて良かった!!』と思う病気もあります。
1度かかってくれていれば、免疫ができて、2度とそれにならない上に、大人(特に、成人男性)になってかかると重症化するおそれがあるからです。お子さんが合併症を引き起こした場合、どのようなことになるのでしょうか?
おたふく風邪の合併症
合併症の症状にはどんなものがあるのでしょうか?それほど高い確率ではありませんが、子どもに多い合併症は以下の2つです。
難聴
耳の下のリンパの炎症が一番の原因です。ということは、合併症を引き起こした場合に一番影響をうける場所は『耳』になるのかな?ということは何となく想像がつくと思います。
おたふく風邪が悪化して合併症である『難聴』になる確率は、ある統計からは2000人に1人とも言われています。この症状は一時的なものではなく、回復の見込みはありません。
無菌性髄膜炎
おたふく風邪の症状は長くても3日~7日、それを越しても頭痛・発熱・嘔吐・全身倦怠感がある場合には髄膜炎が疑われます。この場合は病院での検査が必要とされます。
おたふく風邪になる前でしたら、予防接種が一番の対応策です。もし間に合わず、これに罹った場合、有効な薬がないのに病院を受診するのは何故でしょう!?そこには、もしかするとおたふく風邪に似た別の病気が隠れていたり、合併症になる寸前だったりするからです。
おたふく風邪自体の症状はそこまでこわいものではありません。水分をしっかりとって、痛み止めや氷嚢など、お子さんが少しでも楽にいられるようにしてあげることが一番でしょう。
まとめ
これはおたふく風邪…?様々な症状からチェックしてみましょう!
おたふく風邪とは?
おたふく風邪の初期症状
おたふく風邪の合併症