乳幼児が理由もわからず泣き続けたり、ぐずることが続いた場合は病気を疑います。しかし発 熱 などわかりやすい 症状 があれば対応ができますが、 おたふく風邪 の場合はどのような症状が顕著に出るのでしょうか。
今回はおたふく風邪を紹介します。
耳下の腫れで判断!発熱症状がなくてもおたふく風邪かも?
おたふく風邪とは?
一般的におたふく風邪と呼ばれている病気は正式名流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじこせんえん)と言い、ムンプウイルスが原因となり飛沫感染します。
顕著な症状としては発熱後の耳下腺の炎症と腫れです。
耳下腺とは両耳の下の部分で、耳のもっとも入り口付近にあたる外耳道の前下方にあり、唾液が分泌する最大の唾液腺がある場所です。
耳下腺の腫れは片方だけで治まる場合と、両側共に腫れる場合もあります。耳下腺の腫れや炎症が顕著にあらわれない場合もあり、一般的な風邪として判断してしまう場合もあるようです。
国立感染症研究所の調査によると、おたふく風邪は30年前くらいまでは3年から4年周期で流行していました。
しかし1988年から1993年まで、MMRワクチンと言われるおたふく風邪、麻疹、風疹の三種類の混合ワクチンが実施されていたことにより、それまでの大流行は落ち着きました。
そののちMMRワクチンの副作用として無菌性髄膜炎の発症が多くみられたことで1993年中止され、再び3年から4年周期での罹患者増加がみられるようになりました。
罹患者のほとんどが6歳以下の子供達で、半数程度4歳以下が占めています。新生児の罹患者は少なく、年を追うごとに増加します。
おたふく風邪は一度罹患すると免疫がつき生涯で再び罹患することはないと言われているため、免疫がない幼い子供ほど感染しやすいと考えられています。
また嘔吐や腹痛を訴える場合は合併症が考えられます。
合併症として感音性難聴や髄膜炎、膵臓炎などがあり、最悪脳炎になった場合は障害が残る可能性がありますので、おたふく風邪の疑いがあった場合は早めに病院でみてもらうようにしましょう。
おたふく風邪の症状とは?
ウイルス感染してから2週間から3週間の潜伏期間があり、次第に悪寒が始まり発熱や頭痛、鼻水、筋肉痛、全身の倦怠感がおこり、耳下腺の腫れが認められるようになります。
しかし熱は出ても微熱から38度程度で、発熱がない場合もあります。熱も極端に高いものではなく初期症状も風邪に似ているため、耳下腺の腫れや痛みが起こることで一般的な風邪でないことに気づくことが多いようです。
なお耳下腺の腫れは、多くの場合左右時間差で片方ずつ腫れてきますが、左右一方のみ、またはほとんど腫れが目立たない場合もあるようです。
そして腫れや炎症は耳下腺だけにとどまらず、顎下腺や舌下腺に至ることもあります。腫れは熱が治まったのち一週間程度で引きます。
おたふく風邪の感染とは?
非常に感染力が強いため第二種感染症とされ、最長5日で出席停止対象の位置づけの病気です。
おたふく風邪の完治の目安は発熱など風邪のような症状が治まったということだけでなく、耳下腺の腫れや痛みが治まったかどうかが重要になります。
学校によっては、登校しても問題ないかどうかを医師が証明する登校許可証の提出が必要になる場合もあります。
そのほか第二種感染症に位置づけられ出席停止対象の病気は、麻疹、水ぼうそう、風疹、インフルエンザなどがあります。
耳下腺が腫れる数日前から発症1週間経過したころの感染力が強いと考えられているため、症状が出る前に周囲にウイルスを広めてしまう可能性が高いものです。
しかしおたふく風邪のウイルスに感染しても誰もが耳下腺の腫れや痛みがあるわけではなく、3割程度は風邪のような症状だけで完治することもあります。
そのため知らず知らずのうちにおたふく風邪のウイルスを広めてしまっていることも少なくないようです。
また思春期以降の男の子がおたふく風邪の原因となるムンプスウイルスに感染した場合、後遺症として子供を作ることができなくなる病気を発症してしまう可能性もある怖いウイルスです。
おたふく風邪のワクチンは非常に有効率が高いといわれているため、感染予防のためワクチンは早い時期に接種することが重要になります。
まとめ
耳下の腫れで判断!発熱症状がなくてもおたふく風邪かも?
おたふく風邪とは?
おたふく風邪の症状とは?
おたふく風邪の感染とは?