誰でも「おたふく風邪」という病気の名前は聞いたことありますよね。 おたふく風邪 は別名・流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)といい、耳の下が腫れて痛む病気です。
発症すると食欲が激減し、子供は不機嫌になってしまうおたふく風邪ですが、一体どのような病気なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
耳の下が腫れるおたふく風邪は食欲も激減する怖い病気
おたふく風邪の症状
おたふく風邪を発症すると、耳の下にある耳下腺(じかせん)が炎症を起こし、耳の下からあごにかけて大きく腫れます。この炎症は耳下腺炎(じかせんえん)と呼ばれ、しばしば激しい痛みを伴います。
同時に両耳が腫れる場合もあれば、最初に片方の耳だけ腫れ、数日後にもう片方の耳が腫れる場合もあります。また子供のよっては、片方の耳だけしか腫れないこともあります。
耳下腺炎以外にも、顎下腺炎(がくかせんえん)といってあごの下が腫れる場合や、舌下腺炎(ぜつかせんえん)といって、舌の唾液腺が腫れる場合もあります。また、発熱を伴うことも多く、熱は38~39度の高熱になることもあります。高熱は2~4日ほど続いた後に下がっていきます。
おたふく風邪の症状は発症2~3日後にピークを迎え、頭痛を訴えたり、倦怠感から不機嫌になったりすることもあります。また、唾液腺が腫れているため、食べ物を噛んだり、飲み込んだりするときに激しい痛みが生じ、そのために食欲が激減することも多々あります。
けいれんが見られるケースもあります。おたふく風邪の症状のピークを迎えてから約1週間経つと、症状は治まっていきます。
おたふく風邪に感染しても全く症状がでないケースもあり、不顕性感染(ふけんせいかんせん)といわれています。おたふく風邪感染者の3分の1がこれに該当するようです。
おたふく風邪の原因
おたふく風邪の原因はムンプスウィルスというウィルスです。ムンプスウィルスは感染力の強いウィルスで、その主な感染ルートは空気を介して感染する飛沫感染です。
また、感染者の唾液が付いたものを触ることで感染することもあります。ムンプスウィルスに感染すると、ムンプスウィルスは次第に全身に広がっていき、約2~3週間の潜伏期間の後、おたふく風邪の症状が出はじめます。
ムンプスウィルスの感染は特に冬から春先にかけて多く見られ、5~9歳くらいの小さな子供に感染することが多いようです。赤ちゃんがおたふく風邪に感染することはまれです。
おたふく風邪の治療とケア
我が子がおたふく風邪に感染したかな?と思ったら、必ず病院を受診しましょう。ムンプスウィルスに効く特効薬はなく、病院での治療は症状を緩和することを目的に行われます。そのため、治療方法はそれぞれの症状に合わせた方法となります。
耳下腺炎や顎下線炎、舌下腺炎の痛みが強い場合には、アセトアミノフェンやイブプロフェンといった鎮痛剤が処方されることもあります。また、けいれんが出ている場合には、けいれんを抑える抗けいれん薬を使用することもあります。
おたふく風邪の症状が治まるまでは外出をせず、自宅で静かに過ごしましょう。家庭では、唾液腺の腫れから食べ物を飲み込むときに痛みが生じるため、スープやヨーグルト、ゼリーといったのど越しの良いものを与えてあげましょう。
かんきつ類などの酸っぱい食べ物や飲み物は刺激が強いので避けます。また、食欲が激減すると、水分も不足し、脱水症状になってしまう危険があるので、こまめに経口補水液などで水分補給をしてあげましょう。
耳の下やあごなど、腫れて痛みを伴う部分に冷たいタオルをあてるなどして冷やしてあげると、痛みが少し和らぐこともあります。
病院受診の目安
おたふく風邪が疑われたら、すぐに病院を受診することが大切です。おたふく風邪を発症してから10日以上経っても熱が下がらず、症状が良くならない場合は、合併症を併発している可能性も考えられますので、至急病院へ行きましょう。
まとめ
耳の下が腫れるおたふく風邪は食欲も激減する怖い病気
おたふく風邪の症状
おたふく風邪の原因
おたふく風邪の治療とケア
病院受診の目安