オムツかぶれ は医学的には「おむつ皮膚炎」といい接触皮膚炎の一種になります。オムツが接触する部位にかゆみや痛みを伴う炎症が起きている状態のことを指し、酷くなると出血や膿が出ることもあります。
このオムツかぶれはひとつではなく、さまざまな要因が重なり合い起こる為、繰り返しやすい傾向があります。
未熟な皮膚構造が引き起こすオムツかぶれの予防策
類似した病気とその症状
おむつかぶれは、その症状から汗疹やアトピー性皮膚炎、カンジタ性皮膚炎と間違われることがあります。特に夏場はオムツかぶれと汗疹を間違われる方が多いようです。
汗疹も汗線の出口がポツポツと赤みを帯びるので症状が似ていますが、湿疹があらわれる部分がオムツの触れる範囲かそれ以上の広範囲かでどちらかを判断します。
アトピー性皮膚炎は症状が2ヶ月以上続く場合、可能性が高いですが、自己判断では難しいので医療機関を受診しましょう。
中でも、一番判断が難しいのがカンジタ性皮膚炎になります。特徴としては、膿を持った赤いプツプツや炎症部分の乾燥や落屑です。間違われやすいと言われている汗疹やアトピー性皮膚炎との決定的な違いは、カンジタ性皮膚炎の場合、しわの中まで真っ赤なかぶれがみられます。
また、炎症部分が特徴的なレース状で、さらにその周りに小さな紅斑があるなど、通常のオムツかぶれとは異なる状態にある場合はカンジタ性皮膚炎の可能性が高いでしょう。
しかし、医師でも見分けがつきにくい場合もありますので、かぶれの症状が出た時は、その都度、医療機関でみて貰いましょう。
オムツかぶれのサイン
繰り返しやすいオムツかぶれは、早い段階できちんとケアし清潔に保つことが大切です。そこでオムツかぶれのサインを見逃さないように、日ごろから赤ちゃんの様子を観察しましょう。
以下のようなサインがある場合はオムツかぶれの初期症状と捉えてよいでしょう。
- お尻を拭くと嫌がる様子がみられる
- 入浴時に熱いお湯をかけると泣く
- オムツを外すと、オムツで覆われた部位を掻く
オムツかぶれの原因
一番の原因は、おしっこやうんちになります。他にも汗ムレやカビなども長引くオムツかぶれの原因になります。
まず、おしっこには体内の老廃物など肌を刺激する成分が含まれていています。これは時間と共に分解が進むとより刺激性の強いものになります。
次にうんちですが、うんちに含まれる腸内細菌や酵素が刺激物となります。特に下痢は刺激性が強いためかぶれが起きやすくなります。
汗ムレは、皮膚をふやかして刺激を受けやすい状態にすることから、オムツかぶれを誘発する原因になります。
最後にカビは前述したカンジタ性皮膚炎によるものなりますが、オムツかぶれで弱っている状態はカンジタ性皮膚炎に感染しやすい状態にあります。症状が酷く、オムツかぶれの薬でも治らない場合は、カンジタ性皮膚炎との合併症の恐れがあります。
外部刺激から肌を守る働きが弱く、免疫能力も完全ではない赤ちゃんの肌にとって、おしっこやうんちなどの刺激物は肌のターンオーバーのサイクルを乱します。赤ちゃんの肌は大人の肌の基礎作りです。肌トラブルのない状態を維持して上げることが大切です。
対処法
症状が軽い場合、徐々に症状が軽くなるようならそのまま様子をみてもよいでしょう。また、軽い場合はオムツ交換時に柔らかいガーゼや脱脂綿などを使いぬるま湯で洗い流すことも効果的です。その際はドライヤーなどでしっかりと患部を乾燥させて下さい。
また、保湿剤などで肌を保護することも予防に繋がります。一般的な保湿剤としては、ワセリンや軟膏などがあげられますが、保湿剤によっては肌に合わないものもあります。合わない場合は逆に炎症が酷くなることもありますので、すぐに使用を取りやめて下さい。
医療機関を受診した場合、状態に合わせて薬が処方されますが、一般的に軽い場合だと亜鉛華単軟膏やコンベック軟膏などの非ステロイド外用剤が処方され、重い場合はエキザルベ軟膏やキンダベート軟膏などのステロイド外用剤が出されます。
このステロイド外用剤は中~弱い程度のものが多いです。ただ、カンジタ性皮膚炎の場合、ステロイド外用剤を使用すると免疫反応を抑えることで炎症を抑えるという効能から返ってカビを増殖させてしまいます。
カンジタ性皮膚炎には抗真菌薬が処方されますので、万が一、ステロイド外用剤を使用しても治らず悪化した場合は、再度医療機関を受診しましょう。
自己判断が難しい場合は、様子を見るよりも医療機関を受診した方が的確な保湿剤や軟膏を処方して貰えるので、早く治すことができます。早めの受診をお勧めします。
まとめ
未熟な皮膚構造が引き起こすオムツかぶれの予防策
類似した病気とその症状
オムツかぶれのサイン
オムツかぶれの原因
対処法