年間100人もの赤ちゃんが、乳幼児突然死症候群(SIDS)で命を落としているといいます。何の前触れもなく、突然起こる 乳幼児突然死症候群 (SIDS)とは、一体どのような病気なのでしょうか。
そして、乳幼児突然死症候群(SIDS)にならないようにするためには、どのような対策をしたらよいのでしょうか。
眠っている間に突然起こる、乳幼児突然死症候群
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、いつもと変わりなく元気だった赤ちゃんが突然、眠っている間に亡くなってしまう病気です。死因は事故や窒息死ではなく、SIDSと呼ばれる病気が原因の突然死です。
1歳未満の乳児の死亡原因の第3位になっている病気で、生後2か月から6か月までの赤ちゃんに起こりやすいようです。日本では、約4000~5000人に1人の赤ちゃんがこの乳幼児突然死症候群で亡くなっています。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因
乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因については、まだ詳しくは分かっていません。しかし、近年、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こす赤ちゃんの場合、覚醒反応に関係する脳の部分の成長に遅れが見られることが分かってきました。
眠っている間に無呼吸状態になって呼吸が数秒間止まるというのはよくあることで、それ自体は問題ではありません。しかし、無呼吸状態になった時、通常は覚醒反応が起こり、脳の中枢神経が刺激されて再び呼吸が始まります。
覚醒反応が上手く働かないと、呼吸が再開されずに息が止まってしまうのです。乳幼児突然死症候群(SIDS)は、覚醒反応が上手く働かないために起こってしまうと考えられています。
また、女の子に比べ、男の子に多く見られること、早産児や低出生体重児に多く見られることが統計から分かっています。時間帯によって発生率が異なり、早朝から午前中にかけて起こりやすいことも分かっています。
さらに、うつぶせ寝や人工乳育児、ママやパパの喫煙も乳幼児突然死症候群(SIDS)と何らかの関係があることが明らかになっています。
それでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)から我が子を守ってあげるために、何ができるのでしょうか。対策を順にみていきましょう。
うつぶせ寝は避けましょう
うつぶせ寝をしている赤ちゃんのほうが、あおむけ寝をしている赤ちゃんよりも乳幼児突然死症候群(SIDS)になりやすいことが分かっています。近年は、赤ちゃんの頭の形を気にしてうつぶせ寝をさせる人も多いのですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)を避けるためにも赤ちゃんをうつぶせ寝で寝かせるのは避けましょう。
固めの敷布団やマットレスを使いましょう
あおむけに寝かせていても、赤ちゃんが動いて、いつの間にかうつぶせ寝をしてしまうこともあります。柔らかすぎる敷布団やマットレスを使っていると、うつぶせ寝になった時に、顔が敷布団やマットレスに埋もれてしまい、息が苦しくなってしまうことがあります。
赤ちゃんは、息が苦しくなっても、簡単に顔を動かすことができません。ですので、赤ちゃんを寝かせる敷布団やマットレスは固めのものを選び、万一、うつぶせ寝になったとしても、顔が埋もれないようにしてあげましょう。
また、布団の周りにタオルやぬいぐるみなどを置いていると、それが寝ている間人赤ちゃんの顔にかぶさり、息が苦しくなってしまうことがあります。ですので、赤ちゃんの顔の近くにはなるべく物を置かないように心がけましょう。
なるべく母乳で育てましょう
人工乳で育てている赤ちゃんのほうが、母乳で育てている赤ちゃんより乳幼児突然死症候群(SIDS)を発症しやすいという統計があります。
人工乳が乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こす訳ではないのですが、母乳を与える方が、人工乳を与えるより長い時間を要するため、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生確率を低く抑えることができる、と考えられています。
ママやパパは禁煙をしましょう
タバコに含まれているニコチンは、呼吸中枢や覚醒反応に悪影響を及ぼすことが分かっています。
ママやパパが喫煙する家庭で育てられている赤ちゃんの乳幼児突然死症候群(SIDS)発症率は、ママやパパが喫煙しない家庭で育てられている赤ちゃんの乳幼児突然死症候群(SIDS)発症率の約5倍にもなることが報告されています。
我が子を守るためにも、ママやパパは禁煙を心がけましょう。
まとめ
眠っている間に突然起こる、乳幼児突然死症候群
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは
乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因
うつぶせ寝は避けましょう
固めの敷布団やマットレスを使いましょう
なるべく母乳で育てましょう
ママやパパは禁煙をしましょう