初めてお子さんの歯が生えた日のことを覚えているという保護者の方も多いのではないでしょうか。お子さんの乳歯の歯並びで気になる点があるということはありませんか。 乳歯 の 歯並び の影響とよくする方法をご紹介いたします。
日常生活のちょっとした工夫で乳歯のきれいな歯並びを
乳歯の歯並びが影響すること・しないこと
2~3歳頃までに歯列が完成しておおよそ12歳頃までつきあい続けるのが乳歯ですが、「いずれは永久歯に生え変わるのだから」と歯並びや虫歯について安易に考えているわけにはいかないようです。
乳歯の生え始めの乳児期の歯並びは前歯が斜めになっていたり、「すきっ歯」と呼ばれる歯と歯の間に隙間があったりすることはよくみられることです。この時点では将来の歯並びに悪影響を及ぼすのではないかと過剰に心配することはありません。
むしろ、隙間がなく生えてくると永久歯は乳歯より大きいので狭いスペースに永久歯が収まり切れず、歯並びが悪くなることがあるほどです。この時期の歯並びは今後の成長で変化していくと考えて見守るようにしましょう。
心配な点があれば、1歳半検診の時に行われる歯科検診の際に相談するとよいでしょう。
乳歯が斜めに生えてくると慌ててしまう保護者もあるかもしれませんが、生えてきている途中では斜めになっていることも多いものです。
もし、生え切った状態でも斜めになっている場合は歯茎の中に過剰歯が埋没している可能性もありますので、小児歯科で相談してみるとよいでしょう。
幼児期は顎が未発達なので、狭いスペースに歯がきちんと並びきれず、ガタガタに生えてしまうことがあります。個人差はあるものの、顎の発育は12~18歳頃にピークを迎えると言われています。
つまり、乳歯の生えている時期には顎の大きさに対して歯が大きすぎたり、数が少なかったり、多かったりするのは当然のことなのです。乳歯の歯並びがガタガタしていることが永久歯の歯並びにそのまま反映されるというような影響はないと考えられています。
ただし、歯並びが悪いとブラッシングが行き届かなくなりますので、とりわけ歯が重なって生えているような場合には虫歯にならないような注意が必要です。
乳歯の時期に将来の永久歯の歯並びのためにできることの中で最も重要だとされていることは、しっかり噛んで、左右の差がないように顎を発育させることだと言われています。しっかり噛むには虫歯予防も大切であることは言うまでもありません。
乳歯の歯並びを悪くしないために
歯と歯の間に隙間がある適度な「すきっ歯」が正常な発育であるというものの、ちょっとした生活習慣を見直すことで歯並びを悪くしないように工夫できることもあるようです。
指しゃぶりやおしゃぶりを長い間続けていると、指で前歯が押されて出っ歯や開咬と言って奥歯を噛みしめた時に前歯が噛み合わない状態になってしまうことがあります。
また、吸う力が長くかかると上顎が狭くなってしまうので、奥歯の噛み合わせがずれる原因になってしまうこともあります。お子さんの様子をみながら、2歳までには指しゃぶりやおしゃぶりを止めるようにしましょう。
口呼吸を続けていると、上の前歯が前に出てきたり、前歯の噛み合わせが浅くなってしまいがちです。また、常に口を開いている状態なので、口の中が乾燥して虫歯にもなりやすくなります。
ものを飲み込む時に舌の先端を上顎に貼りつけないで前に出す癖があると前歯を押し出してしまい、出っ歯や開咬になりやすくなります。
頬杖をつく習慣があるとどちらか一方に力が加わって、顎の形や歯並びに影響を与えると言われています。これは寝る時の姿勢にも同じようなことが言えますので、枕の高さなどを上手に調節して仰向きに寝られるように工夫してみてください。
乳歯の歯並びで保護者が注意すべきこと
遺伝的な歯並びの悪さはおおよそ25パーセントという説があります。それだからこそ、上述のような生活習慣の見直しが意味をもってくるわけです。
乳歯のきれいな歯並びのために最も大切なことは丁寧な仕上げ磨きをして虫歯を作らないことと、しっかり噛んで食べる食材や献立に配慮することです。
乳歯が生えそろう2歳頃になるとおやつとしていろいろなものを食べる機会が増えてきます。2歳児に虫歯が多くなるのはそのためだと言われています。乳歯の段階で虫歯で歯を失うと永久歯がまっすぐに生えてこないという可能性があります。
食生活の変化により、現代の子供は柔らかいものを食べることが多くなっています。意識的によく噛んで食べる食材や献立を工夫するようにしてください。
まとめ
日常生活のちょっとした工夫で乳歯のきれいな歯並びを
乳歯の歯並びが影響すること・しないこと
乳歯の歯並びを悪くしないために
乳歯の歯並びで保護者が注意すべきこと