乳児湿疹 には乳児脂漏性湿疹や乾燥性湿疹などの他にもオムツかぶれやあせもなどさまざまな種類があります。それぞれの湿疹の原因によって、 ケア のし方も違ってくると言います。
赤ちゃんの肌を守るために、湿疹の種類に応じた最適なケアをご紹介いたします。
原因によってここが違う乳児湿疹のケア
生後3ヶ月頃までの乳児脂漏性湿疹
乳児脂漏性湿疹や新生児ニキビと呼ばれる湿疹は過剰に分泌された皮脂が毛穴や汗腺を塞いでしまうことが原因で起こります。髪の生え際や眉に黄色いかさぶたのようなものができたり、おでこや頬が湿疹で赤くなったりすることが多いものです。
乳児脂漏性湿疹や新生児ニキビのケアで最も大切なことは、余分な皮脂を取り除いて、肌を清潔に保つことです。
髪の生え際や眉の辺りによくみられる黄色いかさぶた状のものは過剰に分泌された皮脂と汚れです。無理にはがそうとすると、柔らかい肌を傷つけるおそれがありますので注意が必要です。
入浴前にベビーオイルやワセリンなどをたっぷり塗ってふやかしてから洗い流すのが最も肌にやさしい方法です。頑固な皮脂と汚れはラップでなどで覆っておくとより洗い流しやすくなります。
基本的に皮脂が原因の肌トラブルには石鹸を使用した方がよいとされています。赤ちゃんの肌は大人に比べるとずっと薄く、バリア機能も未熟ですので、肌への刺激が少ない赤ちゃん用の石鹸を選ぶようにしましょう。
また、石鹸は泡立てて使用して、肌への刺激を抑えるようにしてください。昨今はポンプ式で泡状の石鹸がドラッグストアなどで簡単に入手できますので、活用するとよいでしょう。
上述のように乳児脂漏性湿疹の原因は過剰に分泌された皮脂です。皮脂には保湿効果がありますので、基本的にこの時期の赤ちゃんには保湿剤の必要はないと考えられています。
脂漏性湿疹がジュクジュクして浸出液が出てきたり、顔より下の体に広がるようなことがあったら、小児科を受診してください。
生後3~4ヶ月以降の乾燥性湿疹
赤ちゃんの成長に伴って、生後3~4ヶ月頃には乾燥肌になります。ご存知のように、肌は乾燥するとバリア機能が低下して、肌トラブルに見舞われることが多くなります。
乾燥性湿疹の場合は、腋の下や陰部以外は石鹸を使わずに、お湯だけで洗うのがケアのポイントです。石鹸を使用することで保湿に必要な皮脂を落としてしまって、さらに乾燥するという悪循環に陥ってしまうと考えられているのです。
肌の水分が急速に失われるお風呂上りには、クリームやローションなどを使って全身を保湿するようにしてください。
乾燥性湿疹は痒みを伴う場合があります。ひっかき傷から細菌に感染してしまうようなこともありますので、爪は短く切っておきましょう。
アトピー性皮膚炎
乾燥性湿疹が2ヶ月以上続いて四肢や体幹にも広がってきた場合にはアトピー性皮膚炎の可能性があります。ご存知のようにアトピー性皮膚炎はアレルギーが原因で、乳幼児の場合は、主に食物アレルギーがその原因であると言われています。
アトピー性皮膚炎のケアのポイントは皮脂を落とし過ぎないことと肌の保湿をしっかりすることです。
多くの場合、2歳頃までに症状が軽くなるものですが、炎症が長引くと、喘息や花粉症などのアレルギー性疾患を引き起こしやすくなるとも言われていますので注意が必要です。
アトピー性皮膚炎の可能性が出てくると、血液検査をして原因になっているアレルゲンを調べることがあります。上述のように乳幼児の場合は食物アレルギーが原因になっていることが多いものです。
ただし、食物アレルギーがあっても、必ずしもそれがアトピー性皮膚炎の原因であるとは限らないと言います。
特に食物アレルギーに関与することの多い卵・牛乳・小麦は成長のための大切な栄養源でもあります。アレルゲンの除去は素人判断で行わず、必ず医師の指導の下、慎重に行うようにしましょう。
まとめ
原因によってここが違う乳児湿疹のケア
生後3ヶ月頃までの乳児脂漏性湿疹
生後3~4ヶ月以降の乾燥性湿疹
アトピー性皮膚炎