「日本の乳児死亡率の低さは世界トップクラス(前編)」では、日本の乳児死亡率についてご紹介いたしました。後編では、 乳児死亡率 を高めているおもな死因についてご紹介いたします。
日本の乳児死亡率の低さは世界トップクラス(後編)
乳児死亡率を高めているおもな死因とは?
乳児死亡率を高めている乳児の死因として1970年前半までは肺炎が1位、2位は先天奇形、変形および染色体異常、3位は出生時仮死および周産期に特異的な呼吸障害などとなっていました。
1980年代に入ると先天奇形、変形および染色体異常が1位、2位が出生時仮死および周産期に特異的な呼吸障害など、3位が肺炎となりました。
1990年代以降2015年までは先天奇形、変形および染色体異常が死因の35%以上と顕著な割合を示しています。先天性とは生まれつきということです。
先天性奇形とはおもに妊娠初期の問題により、胎児の体の成長に何らかの問題が発生した状態で生まれてくるということです。口蓋裂、ダウン症、小頭症、両岸隔離、心臓疾患などがそれにあたります。
原因は明確にはなっていないものの妊娠中の飲酒や喫煙、薬剤投与などが大きくかかわっていると考えられています。
またそのほか母体年齢も大きく影響します。妊娠している母親の年齢が高いほどダウン症の子供を出産する確率は非常に高くなるという結果も出されています。
そして染色体異常においては死産や流産、低体重、低身長、歩行障害、頭部の陥没や長腕、短腕、骨や関節の異常、重度の知的障害などの可能性が高くなります。
研究を重ねる近年においても先天奇形、変形および染色体異常の発症原因は明確にはなっていませんが、妊娠中の葉酸摂取不足やビタミンAの取り過ぎなどが大きく影響すると考えられています。
妊娠中はつわりや貧血などで体調が思わしくない日々も続きますが、できる限りバランスの良い食事をとり、摂取しづらい葉酸はサプリメントを使うなど、出産までの長い月日にはきちんと定期検診を欠かすことのないようにして心穏やかに健康的に過ごせるよう心掛けましょう。
まとめ
日本の乳児死亡率の低さは世界トップクラス(後編)
乳児死亡率を高めているおもな死因とは?