「赤ちゃんが脳性麻痺?!特徴と抱っこの大切さを知る(前編)」では、脳性麻痺の疑いのある赤ちゃんの特徴やお家でできる簡単な検査方法などについてご紹介致しました。後編では、赤ちゃんに脳性麻痺の疑いがある場合、自宅でできる療育についてご紹介致します。
脳性麻痺 の 特徴 を把握し、早期から自宅で療育に取り組む姿勢が 赤ちゃん の成長に良い影響を与えます。
赤ちゃんが脳性麻痺?!特徴と抱っこの大切さを知る(後編)
抱っこをたくさんしてあげよう!
障害のあるなしにかかわらず、赤ちゃんにとって抱っこは非常に重要なものです。赤ちゃんは目や耳の発達が未熟な分、触覚で多くの物を知ろうとします。なんでも口に入れてしまうのも口で感覚を確かめています。
赤ちゃんは外界に生まれた時点でストレスを感じているのですが、障害のある赤ちゃんの場合は特にそれを強く感じてしまいます。そこで重要になるのが抱っこなのです。母親の温もり、柔らかさ、優しい声掛けが赤ちゃんにとって安心できる場所であり、ストレスから解放されるひと時でもあります。
よく、抱き癖が付くといわれますが、十分に抱っこをしてあげて、安心感が赤ちゃんに蓄積されていくと、そのうち母親から離れていても安心して過ごせるようになります。つまり、沢山抱っこしてあげた方がストレスなく早く抱っこ離れが出来るという事です。
脳性麻痺を持った赤ちゃんは自分で姿勢を変える事が苦手です。その為、脳に刺激が入るはずの運動経験ができません。体の動きの発達には前庭感覚刺激が必要ですが、その感覚を得る機会がとても少ないのです。
前庭感覚刺激とは空間にある自分の体が今どのようになっているかを知る刺激です。体が揺れたり、回ったりすることで培われますので、抱っこされて一緒に散歩などするとその刺激の学習をする事ができます。
脳性麻痺の赤ちゃんは後に足がはさみのようにクロスしていく事が多いですので、赤ちゃんの足をお母さんのおなかに跨がせて足を開いた状態で抱っこしてあげると、予防にもなり有効です。
寝返り、お座りの練習
自分で寝返りやお座り、四つ這いなどができない場合はその動きを手伝って沢山経験させてあげる事が大切です。両膝下あたりを掴んで、左右にコロコロと体を振って寝返りをさせたり、体を支えてでも座る姿勢をとらせたりしていく事が赤ちゃんの体の発達に大きく役に立ちます。
ポイントは赤ちゃんの体が向いた方向にきちんと顔も向けるという事です。赤ちゃんの反射は頸部を中心として起こります。体を動かしながら首の動きをコントロールしてあげると首の座りも促され異常な姿勢の反射を抑制する事が出来ます。
赤ちゃんの異常に気付いたらすぐにでも始める。これが最も大切です。脳性麻痺は完全に治るという事はありません。
いかに早期発見し、早期にリハビリに取り組むかで将来が大きく変わります。最寄りの専門機関に相談もしながら、家庭でも必ずリハビリに取り組むことが子供の将来の幅を広げます。
まとめ
赤ちゃんが脳性麻痺?!特徴と抱っこの大切さを知る(後編)
抱っこをたくさんしてあげよう!
寝返り、お座りの練習