昨今、日本では晩婚化が進み女性の初産の年齢も上がってきています。そして、それに比例するように赤ちゃんが脳性麻痺などの障害を持って生まれる率も高くなってきているのです。
赤ちゃん の障害は成長していく過程で発見される事が多く、定期健診等で指摘される事が多いのが一般的です。しかし、もっと早くから子供に対し何らかの違和感、サインを感じる事もあり、実は誰にも言えずに悩んでいたといった方もとても多いのです。
脳性麻痺 の 特徴 を把握し、早期から自宅で療育に取り組む体制づくりができると子供の成長に良い影響を与えます。
赤ちゃんが脳性麻痺?!特徴と抱っこの大切さを知る(前編)
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赤ちゃんの脳性麻痺の特徴
脳性麻痺とは母体内もしくは生後4週までに赤ちゃんの脳に何らかの障害がおこった事で引き起こされる、運動障害や知的発達障害などの事を言います。
赤ちゃんの場合、ミルクの飲みが悪いとか、なかなか寝返りをしないという事が良くみられますが、他にも抱っこしたら、体をだらんとさせて、しっかりと体や首を支えられていない、もしくは逆に体の反り返りが強く、抱っこしにくいといった特徴があります。
また、いつも同じ方向ばかり見ている事がある等、違和感を覚える事が多々あると思います。6か月以降になっても寝返りができない、首が座らない手足が非対称な動きをするなどの様子を見ると、一般的にも何かしら様子が違うのではないかと気が付き始めます。
自分で検査してみる
6か月を過ぎたごろから、自分でやってみると分かる簡単な検査がいくつかあります。あくまでも個人差がある物です。検査した時期にみられるからと言って、確定する訳ではありませんが一つの指標として考えてください。
まず一つ目は「追っかけ反射」です。赤ちゃんの唇の上下左右を指で触ると触った方に赤ちゃんが首を向けます。これは、生まれて間もない赤ちゃんであれば当たり前に出る反射です。母乳を吸うために必要な反射なのですが、4~7か月頃までにはだいたいみられなくなるのが一般的です。
このような赤ちゃんが生まれながらに持っている反射を原子反射といいます。こういった原子反射が幾つか残ったままになると脳性麻痺を疑います。
次に「引き起こし反射」です。赤ちゃんを仰向けに寝せた状態で両手を持ってそっと体を引き起こすと、自分の力で起き上がってくるような感じを受ける事が出来ます。しかし、脳に障害があるとこの反射が正常に出ず、頭を持ち上げられなかったり体が斜めに起き上がってきたりします。
そして、最も特徴的なのが「非対称性緊張性頸反射」です。顔を向けた方の手足が伸び反対側は曲がるといった体の姿勢をとります。この反射が、寝返りを学習する機会を得る事が出来ないきっかけになります。
最後に臨床経験的な傾向ですが、子どもの両脇を抱きかかえ体をそのまま横に倒します。通常は姿勢反射といって頭と足を持ち上げるような反射を見る事が出来ますが脳性麻痺など障害があるとその反射が出ずに重力に抵抗しません。
さらにこういった子供は後に知的障害や自閉症の発見がなされる事が多くあります。
後編では、前庭感覚刺激を与える方法や寝返り、お座りの練習についてご紹介致します。
まとめ
赤ちゃんが脳性麻痺?!特徴と抱っこの大切さを知る(前編)
赤ちゃんの脳性麻痺の特徴
自分で検査してみる