赤ちゃん の 脳性麻痺 とは、お母さんのお腹の中にいる時から、生後4週までに、何らかの原因により脳が損傷を受け、脳の機能が著しく失われている状態であり、脳の機能障害がでる症候群です。
乳児期前半では、症状がはっきりとあらわれにくいため、生まれてすぐに脳性麻痺だと診断される可能性は低いです。定期健診などで発見されることが多く、乳幼児後半より症状があらわれだします。
赤ちゃんの脳性麻痺とはどういうものか?
脳性麻痺の原因とは?
脳を傷つける原因はたくさんあり、さまざまな原因が重なり発症するとも考えられ、原因を特定したくてもはっきりと分からない場合も少なくありません。
妊娠中に脳が傷ついてしまう原因としては、ウィルスやトキソプラズマへの感染や染色体の異常による脳疾患、脳が形成される段階での損傷などがあげられます。
出産時や出生後の原因としては、赤ちゃんの頭をぶつけてしまったり、頭蓋内の出血や仮死分娩、髄膜炎や脳炎にかかるなどがあげられます。
脳性麻痺の特徴とは?
大人の脳性麻痺とは違い、赤ちゃんの脳性麻痺は成長とともに特徴があらわれていきます。そのため、6ヶ月以前の赤ちゃんは脳性麻痺を発見することができず遅れてしまいがちです。
生後5ヶ月までは、ミルクを飲むことが苦手だったり、異常なくらい身体をよく反ったり、時々身体がピクピクとけいれんすることがあったりと、特徴的にはわかりづらいですが、生後6ヶ月頃になると、運動の発達が遅れたり、うまく声が出せなかったり、手足が固くなり動きにくくなったりと、気付きやすい症状があらわれてきます。
治療方法はあるのか?
残念ながら今現在、一度損傷を受けた脳を完全回復、完全治療する方法はみつかっていません。治療としては、現在現れている障害をコントロールし、症状の悪化を防ぐこと、残った能力を活用できるようにすることが中心となります。
理学療法や作業療法などで、リハビリの効果は出やすいため、早めに病院に行き、診断を受け、治療を早く始めることと、症状にあわせてしっかりと治療やリハビリを継続していくことが大事です。
妊娠中のお母さんの注意点
妊娠中のお母さんの健康状態は、赤ちゃんにとってとても重要です。妊娠中毒症などが、赤ちゃんの脳性麻痺の原因となることもありますので、規則正しい健康的な生活を心がけましょう。
バランス良い食事を摂取することもとても大切です。飲酒や喫煙なども、赤ちゃんにとって悪影響となるため控えるようにしましょう。
発症率
発症率は1,000人に2人~4人程度です。発見時期が早ければ早いほど、重度の障害が出ると言われています。また、出生時に仮死状態になったり、2,500g以下で産まれた未熟児の赤ちゃんは、約10倍も発症率が高くなります。
さまざまな合併症
脳性麻痺の合併症には、さまざまな症状があります。運動障害による、骨粗しょう症や関節炎、肺炎や摂食障害により栄養障害を引き起こすこともあります。
大きく成長していくにつれ、動作や話し方などが他人と違うために社会に溶け込めず、適合できなくなる可能性もあります。将来は、家族や周りのサポートがとても重要になってくるでしょう。
脳性麻痺かも?
わが子を脳性麻痺かも?と疑った場合は、早めに病院を受診しましょう。脳性麻痺は、軽度から重度までありますが、早期発見、早期治療、そして継続的な治療を受けることがとても大事です。
身体が反り返る特徴がある赤ちゃんの脳性麻痺ですが、よく反り返る赤ちゃんはたくさんいます。少しでも症状が見られた場合は、脳性麻痺だと不安にならず、脳性麻痺の可能性があるかもと考え、医師に相談をしてみましょう。
まとめ
赤ちゃんの脳性麻痺とはどういうものか?
脳性麻痺の原因とは?
脳性麻痺の特徴とは?
治療方法はあるのか?
妊娠中のお母さんの注意点
発症率
さまざまな合併症
脳性麻痺かも?