ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎は手指や食品などを介して経口感染し、ヒトの腸管で増殖しておう吐や下痢を引き起こすことがよく知られています。ノロウイルスに感染して、発熱するようなこともあるのでしょうか。
ノロウイルス と 熱 についてご紹介いたします。
ノロウイルスの感染時の発熱のパターンと対処法の注意点
ノロウイルスに感染すると
ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間です。主な症状は、吐き気・おう吐・下痢・腹痛で発熱は軽度な場合が多いと言われています。これらの症状は1~2日間継続し、治癒します。
感染しても発症しなかったり、軽い風邪症状にとどまることもあります。一般的に健康な方は軽症で回復しますが、子供や高齢者では時に重症化することがあったり、吐ぶつを気道に詰まらせて死亡するような例もあります。
病院や社会福祉施設などでノロウイルスの集団感染が発生して死者が出たような場合でも、ノロウイルスの感染がどの程度の影響を及ぼしたかを明確にすることは難しいとされています。
ノロウイルス感染による発熱
ノロウイルスによる発熱は発症の直後から37~38℃程度のことが多いようですが、幼い子供の場合には40℃近くになることもあって、保護者を驚かせることがあります。
最も多いのは感染直後に微熱が出るというパターンのようです。症状が軽度の場合には全く熱が出ないことや熱以外の症状が強くあらわれるというようなこともあります。
ノロウイルス感染症による発熱は2~3日で治まると言われていて、長引くことはありません。体内に侵入したウイルスを排出するために体温を上げて免疫機能を活性化しようという生体反応であると考えられています。
ご存知のようにノロウイルスなどのウイルスに対する特効薬はありませんので、ウイルスを排出するためには自らの免疫力に頼ることになります。発熱は免疫力を活性化している証しなので、むやみに素人判断で解熱剤を使用することは慎まなければなりません。
ノロウイルス感染による発熱の注意点
ノロウイルス感染による発熱は上述したように2~3日で治まるものです。それ以上長引く場合は、下痢などで体力が低下した状態で、風邪やインフルエンザなどの他の感染症にかかってしまったという可能性も出てきます。
また、おう吐や下痢が続くと脱水症状を引き起こすことがありますが、脱水症状で熱が下がらなくなるという場合もあります。
3日以上高熱が続いたり、ぐったりしている、脱水症状が疑われるなどの場合には速やかに小児科を受診しましょう。また、どうしてもうまく水分補給ができない場合にも小児科で点滴治療を受けることが有効なことがあります。
家庭看護のポイント
ノロウイルス感染時にはおう吐や下痢という症状を伴っていますので、何よりも水分補給が大切になってきます。脱水症状に陥ることを避けるために、こまめな水分とミネラル分の補給に留意しましょう。
ただし、吐き気があるときに無理に飲もうとすると、かえって気持ちが悪くなってしまうことがあるかもしれません。今なら飲めそうというタイミングをよく見計らって、少しずつ水分補給をするようにしてください。
昨今では子供用の経口補水液やミネラル入りの麦茶などもドラッグストアなどで入手しやすくなってきています。子供のある家庭では常備しておくのがよいかもしれません。
もちろん、野菜スープの汁やみそ汁の上澄みを利用するのもよいでしょう。人肌程度の温かさのものがよいとされています。
水分補給は非常に大切ですが、無理をしてかえって吐き気を強くしてしまうようなことは避けなければなりません。家庭での水分補給がうまくいかない場合には、小児科を受診して、適切な処置を受けることが必要です。
まとめ
ノロウイルス感染時の発熱のパターンと対処法の注意点
ノロウイルスに感染すると
ノロウイルス感染による発熱の注意点
家庭看護のポイント