楽しいおでかけでも子どもが 乗り物酔い してしまうと親も子も疲れてしまいますね。乗り物に乗ると酔うかもしれないという不安から乗り物酔いを生じる子どもには適切な言葉がけや楽しい雰囲気を演出することで、乗り物に酔わなくなることもあります。
心理的要因も大きい子どもの乗り物酔いは事前のケアが大切
なぜ子どもは乗り物酔いしやすい?
乗り物酔いは耳の中にある平衡感覚を司る器官が刺激されて起こることが多いとされています。子どもは大人よりもこの器官が未熟であるため、乗り物酔いしやすいのです。
しかし、小さな赤ちゃんでは、バランス感覚自体が未熟であるため、乗り物酔いしづらいと言われています。多くの子どもは3、4歳以降に乗り物酔いの症状が大きくあらわれます。
さらに、一度、乗り物酔いを経験すると「乗り物に乗ると酔ってしまう」という概念が根付いてしまい、不安を感じて乗り物酔いが起こりやすくなります。
子どもの乗り物酔いの症状
子どもが乗り物酔いすると、まず初期症状としてあくびが頻回で起きたり、頭痛を感じたりします。頻繁に生唾を飲み込んだり、めまいを感じたりすることもあります。そのまま、症状が改善しないと、吐き気や冷や汗を生じて、顔色が悪くなっていきます。さらに症状が進むと嘔吐してしまいます。
自分の状態をうまく言葉であらわすことのできない小さな子どもでは、急に黙り込んでおとなしくなったり、機嫌が悪くなったりするといった兆候があらわれることもあります。ぐったりして、辛そうにしているといった様子が見られる時は、声掛けをしてどんな状態なのかを確認してあげましょう。
乗り物酔いの原因
乗り物に酔う原因は、目や耳、鼻という三つの感覚器官が刺激を受けて起きると考えられています。乗り物に酔ってしまうことを「動揺病」、「加速度病」とも言います。
バスや車などの乗り物になっていると、自分は止まっているのに周囲の風景だけが早く動いていくというアンバランスさに脳がギャップを感じると、乗り物酔いの状態に陥ります。
また、耳の中にある三半規管が乗り物の揺れに過剰に反応して、乗り物酔いを引き起こすこともあります。
さらに、乗り物に乗った時に感じるにおいに反応して、酔うこともあります。嗅覚は、人間が感じる感覚器官の中でも特に強く脳に伝達されると言われています。
自家用車などの車では酔わないのに、タクシーやバスといった特定の乗り物に乗った時だけ酔ってしまうという時は、この嗅覚に刺激を受けていることが多いようです。
乗り物酔い対策はどうしたらいい?
子どもの乗り物酔いは精神的に不安が大きい時に特にあらわれやすくなります。乗り物に酔うかもしれないと思わせないことが非常に大切です。お気に入りの音楽を聞いたり、しりとりやクイズを出したりして、乗り物内での時間を楽しく過ごさせるようにしてみましょう。
親が過剰に心配をして、「大丈夫?」「気持ち悪い?」と聞くと、本当に気持ち悪いというような気分になってきてしまいます。子どもが楽しそうにしていれば、酔ってはいませんので、乗り物酔いについて尋ねるのはやめましょう。
靴をぬがせたり、ゆったりした洋服を着せたりするのも効果的です。リラックスできるように締め付けない洋服を選んであげましょう。
気がまぎれるからとスマホや本を与えるのはやめましょう。子どもがじっと下を向いて、揺れる画面や本を眺めていると酔いやすくなります。
においによる刺激で乗り物酔いする子どもの場合は、消臭に気を付けて、こまめに換気をするなど新鮮な空気を感じられるようにしておくとよいでしょう。
市販の酔い止めを飲むのも効果的です。薬を飲むことによって、子どもが安心して、これで酔わないと思ってくれると実際に酔いにくくなります。
乗り物に酔ってしまったら
対策をとっていても、酔ってしまう時もあります。子どもが気分が悪いと訴えてきたら、まずは窓をあけて換気してみましょう。それでも改善しない場合は、車を停めて外に出てみたり、シートを倒してゆったり寝転がったりしてみましょう。
吐き気がある時には無理に我慢させず、吐かせてしまう方が楽になることもあります。嘔吐したらすぐには飲食させず、しばらく様子をみましょう。脱水が心配だからとすぐに飲み物を飲ませると、その刺激で再び嘔吐してしまうことがあります。少し経ってから、少量ずつ水を飲ませてみましょう。
まとめ
心理的要因も大きい子どもの乗り物酔いは事前のケアが大切
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乗り物酔い対策はどうしたらいい?
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