梅雨の明け始め、湿度の高くなる頃から、一気に増えるのが熱中症患者です。この時期はテレビでも毎日のように救急搬送が○○人とか、最悪、死者まで出ています。熱中症と一括りにされていますが、くわしく見ていくと、症状により4つに分かれます。
その中でも子どもがかかりやすい「 日射病 」について、予防法とかかった時の対処法について見ていきましょう。
子どもの日射病予防と、かかった時の対処法
日射病とは?また、その症状は?
日射病とは太陽の光に長時間当たることによって起こる、いわゆる脱水症状に近い状態のことです。炎天下での激しい運動や、長時間に及ぶ仕事や作業などで大量に汗をかき、体の中の水分や塩分が不足してしまうことによって体温の調節がきかなくなってしまいます。
全身の倦怠感・吐き気・あくびから始まり、そこから頭痛、めまい、最悪の場合は意識不明状態になり、死に至ることもあります。
なぜ、子どもは日射病にかかりやすいのか?
まず1つ目に、体調の異変に気付かないことが日射病になる原因です。大人だと、汗をたくさんかいたから水分を取ろうとか、外を歩きすぎて頭が痛いから少し休もうといった、初期症状に気づき、知らず知らず対応をとることが出来ます。
ところが、子どもは楽しいことがあると、その事に時間を忘れて夢中になります。炎天下の中、外を走り回って遊びます。そして、“何となく頭が痛いな・体がだるいな”と思っていても、うまくそのことを伝えることが出来ません。
いつもと少し様子が違うな、きつそうだな、顔色が悪いな等、親や周りの人が気づいて、時間配分や周りの環境を整えてあげることが大事です。
2つ目に、当たり前ですが大人より小さいことが原因です。背が低いので、地面からの照り返しで浴びる熱量が、大人よりも大きいのです。
『お母さんが買い物をする為に、暑い中ベビーカーに子どもを乗せて連れて行きました。日差しを遮るために、きちんと屋根付きで連れて行ったにも関わらず、子どもは日射病になりました』という話を聞いたことはありませんか?今は特に、道路もどこもコンクリートなので、照り返しが激しいのです。
最近の赤ちゃん用のベビーカーは昔に比べ、地面からの位置が高くなりましたが、子ども用のベビーカーはあまり変わりません。屋根をつけているからと言って、安心はできません。
異変に気づいた時にやるべきこと
日射病に気づいた時、まずは水分補給です。お水、お茶、一番いいのはミネラル分を含んだスポーツ飲料水です。適度に冷たいものをこまめに取らせます。
ただ、もし意識がもうろうとしていたり、意識不明の場合は水分を取らせてはいけません。気管に詰まる可能性もでてくるからです。その場合は、すぐに救急車を呼んでください。
そして何よりも太陽の光を避けなければいけません。日陰や、エアコンの効いた室内など涼しいところへ移動します。そして、心臓に血液を送りやすくするために、足を心臓より高くして寝かせます。
お風呂はどうする?
子どもが日射病などの熱中症になった時は、出来ればお風呂は控えましょう。症状悪化につながることがあります。ただでさえ体は水分が足りていない状態です。お風呂に入るということは、知らないうちに水分を体から発散させることになります。
もう大丈夫だからと安易な判断をせずに、お医者さんの指示があればそちらを優先させましょう。また、熱中症うんぬんに関わらず、普段からお風呂の前後に水分をとることを心がけましょう。
日射病にならない為には
ちょっとした心掛けで日射病は防ぐことができます。お父さん・お母さんも子どもの頃、よく「外に行く時は帽子をかぶりなさい!!」と言われませんでしたか?つばの広い帽子や、首すじまでたれのついた帽子(保育園はこれが主流になりましたね)首筋に冷たいタオルをまいたりすることで、日射病を阻止できるようになります。
それから、こまめな水分補給。「のどが渇いた」という時では、すでに遅いのです。喉の渇きを感じる前に先に水分を摂取しましょう。あとは、塩分も忘れずに取りましょう。小さい子どもに梅干しはきついかもしれませんが、塩飴などは色々な種類が発売されています。スポーツドリンクも塩分・ミネラルが入っていますのでおすすめです。
日射病などの熱中症にならない為には、何より普段から体調を整えることが大事です。
- しっかり睡眠を取ること。
- ごはんと水分を摂取すること。
- 外にでる時は帽子をかぶり、なるべく日影を歩くこと。
- 長時間遊ばずに、適度に休憩をとること。
かかった時の対処法も大切ですが、かからないように気をつけて、暑い時期を乗り越えましょう。
まとめ
子どもの日射病予防と、かかった時の対処法
日射病とは?また、その症状は?
なぜ、子どもは日射病にかかりやすいのか?
異変に気づいた時にやるべきこと
お風呂はどうする?
日射病にならない為には