子供が感じやすい 熱中症 の 症状 のひとつに 頭痛 があります。子供は適切に言葉で自分の状態をあらわすことができないため、大人が熱中症に気づくのが遅れてしまうことがあります。熱中症の頭痛がどのようなものかを知って、子供の重症化を防ぐように努力しましょう。
子供が感じやすい熱中症の症状である頭痛を知る
熱中症の症状とは
熱中症は少しずつ進行していくもので、2015年の熱中症診療ガイドラインでは重症度に応じて、3段階に分かれるとされています。
以前は熱疲労、熱けいれん、熱湿疹、熱射病の4段階に分けるのが一般的とされていましたが、より分かりやすくするために日本神経救急学会の熱中症検討委員会により改定されました。
軽症の段階ではめまいや手足のしびれ、筋肉痛、血圧低下などを感じます。この段階では日陰で休んだり、水分補給をしたり、冷房の部屋に入るなど体を冷やすことで症状が改善します。
中等度の段階では強い疲労感や吐き気、頭痛を訴えます。大量の汗をかき、頻脈が起こります。この段階では病院へ行き、治療を受ける必要があります。
重症の段階では40度以上の発熱がみられ、脳の機能障害、多臓器不全などが起こります。この段階では救急車による緊急の搬送が必要になります。
熱中症の起こりやすい年代
熱中症は体温の調節機能が未成熟な小さな子供や赤ちゃんと体温の調節機能が衰える65歳以上の高齢者、運動会の練習やスポーツ大会などでの屋外活動が盛んな小中学生が発症しやすいと言われています。
熱中症は外部からの熱に対応できなくなる古典的な熱中症と体の中で発生する熱をうまく処理できない労作性熱中症とに分けられます。
古典的な熱中症は体温調節機能がうまく働かない小さな子供や赤ちゃん、65歳以上の高齢者に多くみられます。労作性熱中症は、夏の屋外での活動時間が長くなる小学生や中学生に多くみられます。学校行事など集団で起こることが多い熱中症です。
熱中症の頭痛が起きる原因
熱中症で頭痛は中等度の症状としてあらわれます。少し熱中症が進行した状態です。軽症の段階で適切にケアしないと熱中症が進行してしまいます。頭痛は、体の中の水分が足りなくなってきた時に起こります。発汗が盛んにおこなわれているのに、水分補給が足りないと起こります。
熱中症が原因の頭痛を改善するには、素早い水分の摂取が大切です。その際、真水だけを大量に摂取してしまうと血液中のナトリウム濃度が一気に低下してしまい危険な状態になります。塩分と水分を適切な割合で摂取することが必要です。塩分は体の中に水分を留める働きがあります。
緑茶やウーロン茶などカフェインの多い飲料は利尿作用も高いので、熱中症の対策として飲むには適していません。イオン飲料は子供用のものを与えるようにしましょう。
また、経口補水液は1日の摂取目安量を超えて与えないように気を付けます。乳児は体重1キロあたり、30mlから50ml、幼児については1日に300ml~600mlとなっています。
頭痛は数日ほど続く場合もあります。涼しい場所で安静にして過ごすようにしましょう。
熱中症の頭痛に鎮痛剤は効くのか
熱中症が原因の頭痛でも、比較的症状が軽い場合は市販の鎮痛剤を飲むことで痛みが緩和されることがあります。鎮痛剤は対症療法の薬で、その場の「痛みを和らげる」ことはできますが、根本的に頭痛の原因を除去してくれるものではありません。
一時的に頭痛が和らぐと治ったと思ってしまいがちですが、熱中症の頭痛は脱水の初期段階でもありますのでしっかり水分補給していくことが大切です。
小さな子供や赤ちゃんに処方される薬でカロナールは解熱、鎮痛作用のあるものです。大人の熱中症でもカロナールを処方されることがありますが、あくまでも対症療法であることを認識して、水分補給や体を冷やすといった根本的な治療につながる対応を行うことが重要です。
熱中症の頭痛の状態のたずね方
熱中症になると様々な症状があらわれますが、小さな子供は適切な言葉で症状を説明することができません。親は子供がわかりやすいように具体的な言葉を用いて、質問してあげると答えやすくなります。
頭痛については、頭がズキズキする、クラクラする、チクチクする、ガンガンするといった言葉がけをしてあげるとイメージしやすくなります。一度、この状態をこういった言葉であらわすということがわかると、次の頭痛の時に言葉で訴えることができるようになります。
まとめ
子供が感じやすい熱中症の症状である頭痛を知る
熱中症の症状とは
熱中症の起こりやすい年代
熱中症の頭痛が起きる原因
熱中症の頭痛に鎮痛剤は効くのか
熱中症の症状の尋ね方