熱中症と聞いてすぐに思い浮かぶ症状と言えば、めまいや頭痛、吐き気などではないでしょうか。意外ですが、おなかを冷やしたわけでもないのに下痢をすると言うような場合、熱中症の症状かもしれません。
熱中症 の 下痢 についてどのような点に注意すべきかを含めてご紹介いたします。
熱中症による下痢には水分補充では逆効果も
熱中症とは
高温多湿な環境下で身体が適応できないことで生じるさまざまな症状を総称して熱中症と言います。
具体的には、めまいや立ちくらみ、顔のほてりなどが熱中症のサインです。一時的に意識が遠のくようなこともあります。
「こむら返り」と呼ばれる筋肉の引きつりや痙攣が起こることもあります。
身体がぐったりして吐き気がしたリ、嘔吐や腹痛を伴う場合もあります。
汗を異常にかいたり、全くかかなかったり、汗のかき方に異常が出ます。
呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けないなどの症状が出ている場合はかなり重症化していますので直ちに医療機関を受診しなければならないレベルです。
体温調節機能が十分に発達していない乳幼児は大人に比べて熱中症にかかりやすいと言われています。
また、学齢期にあっても体育の授業や野外活動など学校行事で屋外に出ることが多く、昨今では空調設備の整った屋内との温度差も大きいことから熱中症に対する用心が必要だとされています。
熱中症による下痢とは
上述のように熱中症の症状には実にさまざまなものがありますが、下痢は意外に知られていないものではないでしょうか。
そもそも、熱中症では身体は脱水状態になっているはずであるにもかかわらず、なぜ、さらに体内の水分を排出してしまう下痢症状が起こるのでしょうか。
ご存知のように汗をかくと身体の中の水分だけではなくミネラル分も排出されてしまいます。「水分が不足した」と感じて、ミネラルを含まない水分のみを飲んでしまうと、身体はミネラルの濃度を維持しようとして嘔吐や下痢という手段に出るのです。
嘔吐や下痢を伴う熱中症はかなり重い症状と言われるのは、自分自身の力で体温だけではなく、体内の水分のコントロールもできない状態になっていると考えられるからです。完治まで2~3日を要することもあるようです。
熱中症の下痢の対処法
上述したように熱中症の下痢は塩分やミネラル分の不足が原因です。脱水症状を起こした場合、水分のみを摂らずに必ず塩分やミネラル分を合わせて摂ることが大切です。
具体的にはスポーツドリンクやミネラル入りの麦茶などを活用するとよいでしょう。幼い子供であれば、子供用のものが市販されています。塩飴や梅干しを予防に活用してもよいでしょう。
水分と言ってもカフェインを含むお茶は利尿作用があるので避けるようにしましょう。
また、水分を一気に摂ると熱中症で弱ってしまった胃腸に負担をかけることになって、かえって逆効果になってしまうことがあります。冷えすぎたものも同様の理由で避けた方が賢明です。
子供の熱中症の注意点
子供の熱中症で注意しなければならないのは早い段階で熱中症のサインに気づくということです。幼いお子さんは自分で異変に気づけないものです。
口や鼻の中が乾燥していないか・目が落ちくぼんでいないか・皮膚が乾燥してカサカサになっていないか・汗を大量にかいていないかなどと注意深く見守ってください。
高温多湿の時期には20分おきくらいにミネラル分の入った水分を補給する配慮が必要です。
また、吐き気がある時は無理に水分補給をしようとせずに病院を受診した方がよい場合もあります。誤嚥してしまうおそれがあるからです。
また、年長児で大量に汗をかくような運動の後に筋肉が痙攣を起こしたような場合には生理食塩水などで塩分を補給するとよいでしょう。
意識障害や全身痙攣などがみられるような場合には体温の調節ができない状態に陥っています。熱中症には生命の危険性を伴うこともあることを心に留めておいてください。
また、熱中症は屋外だけで発症するものではありません。部屋の中でも、車の中でも一定の高温多湿という条件下では熱中症を発症する可能性があることも忘れてはなりません。
まとめ
熱中症による下痢には水分補充では逆効果も
熱中症とは
熱中症による下痢とは
熱中症の下痢の対処法
子供の熱中症の注意点