「高温多湿の時期の腹痛は危険な熱中症のサインの可能性も(前編)」では、のっ中小の賞状をご紹介いたしました。後編では、熱中症の実態や予防法をご紹介いたします。
親としては冷たいものの摂取を控えることで下痢や 腹痛 の症状が治まるものと安易に考えがちですが、めまいやだるさがあった場合は 熱中症 を発症している場合があります。
高温多湿の時期の腹痛は危険な熱中症のサインの可能性も(後編)
熱中症の実態
平成29年度5月中旬の1週間で、全国における熱中症の救急搬送数が総務省から発表されています。前年度の同時期の搬送数が596人に対し、平成29年度では984人と400人近くも増加しています。
熱中症はほとんどが屋外の炎天下で発症するものと考えがちですが、実際の発生場所をみると、住居、工場などの仕事場、学校などの教育機関の建物内、公共施設の建物内など半数程度が屋内で発症しています。
近年の6月から9月の救急搬送人数を年別にみても、平成22年が56,119人、平成23年46,469人、平成24年45,701人、平成25年が近年でもっとも多く58,729人で、平成26年は40,048人と比較的少ないものの、平成27年は52,948人、平成28年47,624人と、たった4ヶ月の統計で4万から6万近くの人々が搬送されていることになるのです。
平成28年の救急搬送の総数47,624人に対する年齢区分別の搬送数をみると、高齢者が25,228人(50%)、成人が18,150人(36%)で、子供世代では少年(満7歳以上から満18歳未満)が6,548人(13%)で乳幼児(生後28日以上から満7歳未満)が482人(1%)、新生児(生後28日未満)は4人(0%)でした。
幸いにして6割以上の人が軽度の症状で治まっていますが、3週間以上の入院加療が必要となった重症者も2%程度いて、命を落とした人も60人(0.1%)もいました。
子供世代は自身で体調の変化を訴えることが未熟なため、親をはじめとした大人たちがしっかりと体調を見極めてあげることが重要となります。
熱中症は自身では重い病気ととらえづらい立ちくらみや腹痛など比較的軽い症状から始まることが多いです。しかし放置しておくことであっという間に悪化して、最悪な場合命を落としてしまうこともある、とても身近でもありながら怖い病気です。
熱中症の予防には?
どんなに暑くても子供は元気よく走り回って汗びっしょりで遊ぶものです。汗が放出される汗腺の数は3歳で完成すると言われています。そのため子供は大人と比べて体の大きさの割に発汗量が多いため、よりこまめに水分を摂る必要があります。
しかし子供は遊ぶことに夢中で、自主的に水分補給をすることはなかなか難しいものです。とくに高温多湿の日には屋外だけでなく屋内で遊ばせる場合でも、大人が気を配ってしっかりと体調管理をしてあげることが必要です。
定期的に風通しの良い場所で休憩をとらせ、十分な水分補給をさせることで少しでも熱中症を予防することができます。暑い時期になるとどうしても冷たい飲み物やアイスを与える機会が増えることで、子供が下痢を起こし腹痛を訴えることが良くあります。
親としては冷たいものの摂取を控えることで下痢や腹痛の症状が治まるものと安易に考えがちです。しかし同時にめまいやだるさがあった場合は熱中症を発症している場合もありますので、症状を見逃さないようにしっかりと子供の様子をみてあげるようにしましょう。
まとめ
高温多湿の時期の腹痛は危険な熱中症のサインの可能性も(後編)
熱中症の実態
熱中症の予防には?