抵抗力のない子どもが罹りやすい 夏風邪 は、激しい喉の痛みを伴うことにより 食事 を摂ることが難しくなります。その上、ウイルス性の夏風邪にはこれといって効く薬がないため、対処療法で体の負担を軽減しながら、自然と治るのを待つ他ありません。
特効薬のない夏風邪を乗り切るために有効な食事内容
夏風邪の種類
子どもが罹りやすい夏風邪にはプール熱、ヘルパンギーナ、手足口病の3種類があります。まず、プール熱ですが、正式名称を結膜咽頭炎といい、アデノウイルスにより引き起こされます。
感染者の6割が5歳以下の幼児で、プールの水を介して感染ることがあることからプール熱と呼ばれています。
症状としては発熱、咽頭炎、結膜炎が主で、急な発熱から始まり、喉の痛みがあらわれます。目の痛みや充血、目ヤニなどの症状も特有です。非常に感染力が強く、症状が治まってからも咽頭や便を通じて1ヶ月程ウイルスを排出し続けることがあるため、二次感染への予防が必要です。
また、稀に重症化し、肺炎などを引き起こすこともあるため注意が必要です。
次に、ヘルパンギーナですが、こちらはエンテロウイルスによる乳幼児特有の感染症です。症状としては発熱、口蓋垂の腫れ、紅暈を伴う小さな水泡などの他、頭痛、筋肉痛、下痢、嘔吐なども併発することがあります。特徴としては、38℃~40℃の高熱と水泡が潰れることでできる潰瘍です。
高熱による熱性痙攣や口蓋垂の腫れによる食欲不振、脱水症状には注意が必要です。稀に心筋炎や無菌性髄膜炎などの合併症を引き起こすことがあるため、異変がある場合は早めに医療機関を受診する必要があります。
最後に、手足口病は口腔内や手の平や甲、足の裏に出る白い米粒大の発疹が主な症状になりますが、最近では全身に発疹が出るケースも増えてきています。3人に1人の割合で発熱の症状があらわれますが、38℃以下の微熱で終わることがほとんどです。
口腔内の発疹が破けて口内炎ができると痛みから食事や水分補給が困難になるため脱水症状を引き起こすことがあります。また、稀に脳炎や髄膜炎などの合併症を引き起こすことがあるためこちらも注意が必要です。
予防策
基本的に、幼い乳幼児の場合、大人と違って徹底した対策を取ることが困難なため、予防は難しいと考えられます。特に集団感染しやすい環境下での、咳やくしゃみによる飛沫感染やウイルスが付着している物に触れることによる接触感染は防ぎようがありません。
しかし、家族への二次感染や普段からの意識付けは大切です。夏風邪の場合、手洗いやうがい、マクス、目薬(目からの感染予防)などが有効だと言われています。
また、空気清浄機や加湿器の設置も効果が期待できます。ただ、夏風邪のウイルスは高温多湿な環境を好みます。
特に就寝中の汗がウイルスを増殖させるとも言われているため、寝具の除湿は大切です。また、呼吸器系に悪影響を与えるダニは夏風邪を長引かせます。ダニ対策も合わせて行う必要があります。
体調管理
特効薬のない夏風邪は睡眠や栄養価の高い食事で免疫を高め、体力回復に努める他ありません。高温多湿な夏場は体力を奪われやすいため、エアコンを上手に活用し、快適に過ごせる環境を作る必要があります。
また、夏風邪特有の症状として、発疹などで喉に痛みが出やすいため、食事には気をつけなければなりません。特に、乳幼児の場合、痛みがあると水分補給さえも嫌がるため、脱水症状を引き起こすことも考えられます。
食事には熱いものや固いもの、酸っぱいもの、辛いものは喉に滲みて痛みを伴うことから避け、喉越しの良いゼリーや豆腐、体力回復効果のあるリンゴなどがお勧めです。極力、擦るなどして、噛む必要のない状態にすることで消化吸収を促しましょう。
感染力が強く、完全な予防が難しい子どもにとって、最大の予防策は免疫力を上げ、体調を整えておくことです。規則正しい生活やバランスの取れた食事などを心がけ、流行している時期の人混みは避けることが懸命です。
集団生活などで感染を避けられない環境にある場合は、子どもの様子をしっかり観察し、いつもと様子が違う場合は重症化や合併症を防ぐためにも早めに医療機関で診断を受けることが大切です。
まとめ
特効薬のない夏風邪を乗り切るために有効な食事内容
夏風邪の種類
予防策
体調管理