気温や湿度が安定しない夏場には子どもたちも疲れやすくなり、免疫力が低下し、夏風邪をひくことが多くなります。保育園や幼稚園、小学校などでも流行しやすい 発疹 を伴う 夏風邪 について保護者が理解を深めて、適切なケアを行うことが大切です。
発疹を伴うことの多い子どもの夏風邪について理解を深める
子どもの夏風邪
風邪というと冬に流行するというイメージがありますが、実は夏に流行する夏風邪というものもあります。梅雨の時期から夏場にかけていろいろな病気が子どもの間で流行します。梅雨時になると毎日の気温や湿度の変化が激しくなり、子どもは体調を崩しやすくなります。
また、暑い時期にクーラーのよく効いた室内に長くいたり、夜間、窓を開け放って眠り、夜風に当たったりすると風邪をひいてしまうことがあります。夏風邪と大きくひとくくりにされますが、原因によって症状が異なります。
一般的に夏風邪として呼ばれるのは、手足口病、プール熱、溶連菌感染症などがあげられます。これらの病気は高熱とともに発疹が出るのが特徴です。発疹は、病気によってあらわれるタイミングなどが異なります。
手足口病とはどんなもの?
発疹が出る夏風邪の代表的な病気として、まずは手足口病があげられます。手足口病を発症すると発熱や口内炎、さらに特徴的な手足の水泡性発疹があらわれます。熱は38度台の高熱となります。
手足の発疹は3ミリから5ミリの丘疹性紅斑に2ミリから3ミリほどの楕円形水泡を形成します。発疹は手のひらや手の甲、足の裏や足の甲、膝、おしりなどにあらわれます。熱は3日ほどで下がっていき、発疹もおおよそ4日ほどで水泡が吸収されていきます。茶色っぽく色が変わり、治ります。
水疱瘡とは違い、手足口病の発疹は手足に多くあらわれ、水泡は化膿することなく、大きなかさぶたを作ることもありません。発疹のかゆみはあまりありませんが、大きな子どもは触るとちくちくする、痛いと表現することもあります。
コクサッキーウイルスA-16、エンテロウイルス71などのウイルスが原因ですが、有効な薬はなく、発熱や口の中の痛みに対する対症療法で自然治癒を待ちます。喉や口の痛みが強いので、食べ物や水分を摂りたがらなくなりますので、脱水に注意する必要があります。
プール熱とはどんなもの?
プール熱は夏場に子どもの間でよく流行する急性のウイルス感染症です。プールで感染することが多かったことから、プール熱と呼ばれますが、実際には飛まつ感染で広がっていくため、プールに入っていなくても感染します。
アデノウイルスというウイルスが原因です。アデノウイルスには51種類もの血清型があるため、何度でも感染してしまいます。
38度から40度ほどの高熱で発症します。結膜充血、頭痛、発疹などが症状としてあらわれます。目やにが多くみられるとプール熱であることが多いようです。
溶連菌とはどんなもの?
溶連菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌の感染で発症する病気です。略して、溶連菌といいます。急な高熱とひどい喉の痛みから始まって、赤い細かい発疹が全身に広がっていきます。
初期症状は風邪に似ていますが、合併症を防ぐために抗生物質での治療が必要だとされています。抗生物質の種類にもよりますが、一般的には10日間ほど服用を続けます。
発疹は首や胸、手首や足首から始まって全身に広がります。かゆみを伴うことも多いと言われています。抗生物質を服用すると症状は2日から3日ほどで改善していきます。
ただし、そこで薬の服用をやめてしまうと、合併症の危険があります。必ず、指示された期間、服用を続けるようにしましょう。
そのほかの発疹が出る子どもの病気
子どもの病気には発疹を伴うものが数多くあり、季節に関係なく発症するものも多いため、どんな病気があるのかということを知っておくことが大切です。
夏風邪と間違う可能性が高い発熱を伴う発疹の出る病気では、麻疹や水疱瘡、風疹、川崎病などがあります。発熱がみられない病気では、じんましん、りんご病、とびひなどがあげられます。
発疹が出ると皮膚科と小児科のどちらを受診しようかと迷うケースもありますが、患者が子どもならばまずは小児科の受診をおすすめします。小児科医は発疹を伴う子どもの病気のエキスパートですので、的確な判断を下してくれるでしょう。
まとめ
発疹を伴うことの多い子どもの夏風邪について理解を深める
子どもの夏風邪
手足口病とは
プール熱とは
溶連菌とは
そのほかの発疹が出る子どもの病気