「歯痛と頭痛が同時に来る?!原因は虫歯ばかりではなさそう?(前編)」では、虫歯と頭痛の完成についてご紹介いたしました。後編では、 虫歯 の治療では治らない 頭痛 についてお伝えいたします。
歯痛と頭痛が同時に来る?!原因は虫歯ばかりではなさそう?(後編)
虫歯の治療だけでは頭痛は治らない?
虫歯治療だけでは頭痛が治まらないという状態の場合もあります。歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)が原因で頭痛が起こる場合がそれにあたります。上顎洞とは一般的な呼び名を副鼻腔と言います。
副鼻腔の位置は奥歯の根元付近にあるため、奥歯が虫歯をはじめとした病気を発症した場合、副鼻腔に細菌が入り、頭痛を引き起こすと言われています。歯性上顎洞炎の根源を潰さない限り歯の治療だけをしても頭痛はおさまりません。
では歯性上顎洞炎の原因として考えられるものはどのようなことなのでしょうか。原因として考えるものは複数あります。
1つ目はもっとも原因として考えやすい虫歯です。特に歯の神経組織である歯髄をすでに取ってしまっていた場合、普通私たちはその歯が再度虫歯になるとは考えにくいと思います。しかしそういった歯こそが再度虫歯になりやすいと言われています。
歯髄と呼ばれる歯の内側にある神経組織を取ってしまうと、再度虫歯になっても痛みがないため、虫歯がかなり進行していても長い間放置してしまい悪化してしまう傾向にあります。
2つ目の原因となるものは根尖(こんせん)と呼ばれる歯の根っこの先端部分に歯根嚢胞(しこんのうほう)や歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)ができることです。歯根嚢胞とは根尖に膿の溜まった袋状のでき物ができることです。
歯髄と呼ばれる歯の内側にある神経組織に虫歯菌が達すると嚢胞ができやすくなってしまうのです。この場合、歯の神経がある根管と呼ばれる部分から細菌など膿の根源となるものを洗い流し消毒する手順が取られます。
もし歯髄が残っている状態で炎症がひどい場合は、歯髄自体を取り除くことになります。歯根肉芽腫とは主に歯周病が原因で起こる場合が多いと言われています。
歯周病は歯の表面についた細菌の塊である歯垢(しこう)が歯の生え際の境目に入ってしまうことで、まず歯茎が腫れて血が出るという症状が出て、歯がぐらぐらとしはじめ、最終的には歯が抜け落ちてしまうという怖い病気です。
歯周病を放置しておくことで知らず知らずのうちに大量の細菌が入ってきてしまい歯の根っこ部分に腫瘍が繰り返しできてしまうという病気です。
歯痛があるけど虫歯が原因ではない頭痛とは?
歯性上顎洞炎や歯根肉芽腫以外に歯痛と共に頭痛を感じる場合があります。どちらかというと頭痛が先に来て、そのあと歯痛を感じる形が一般的と言えます。
何らかのことが原因で頭痛を引き起こすと、三叉神経がつかさどっている口の中が敏感に反応し、歯痛が起きているものと体が勘違いする現象が起きるのです。この現象は虫歯など歯に異常がない場合でも起こりうることなのです。
この現象が起こることで、人は既に痛みが激しくなっている虫歯によって頭痛が起きていると思い込み歯医者に駆け込むことが多く、結果的に虫歯が原因の頭痛ではないということがわかるということが非常によくあるようです。
特に子供の場合は「歯が痛い」と痛みを訴えるだけで、どこがどのように痛いといった具体的なこともきちんと説明できない状態が多いためママたちは非常に心配になります。それが頭痛と共に痛みがあらわれるということでより心配がかさみます。
病院がやっていない時間などに痛みを訴えられた時のことを考えて、小児用バファリンなどの市販薬を常備しておくことも良いかもしれません。
小児用バファリンは3歳以上であれば服用することができ、もし頭痛が原因の歯痛であった場合は、その根源である頭痛が緩和されることで歯痛も感じなくなる可能性もあります。
しかしもしこの症状が続く場合は、市販薬は一時的な対処のためのもので、頭痛の原因は全く別の病変が潜んでいる場合もありますので放置せず専門科に診てもらうようにしましょう。
まとめ
歯痛と頭痛が同時に来る?!原因は虫歯ばかりではなさそう?(後編)
虫歯の治療だけでは頭痛は治らない?
歯痛があるけど虫歯が原因ではない頭痛とは?