子どもの 初期 の 虫歯 は進行が早く、気づいたときには大きな穴が開いていたということもよくあります。乳歯の虫歯の特徴をよく理解することで、小さな初期の虫歯を発見することができるようになります。
早期に適切な治療を開始できるよう、注意深く観察することが大切です。
子どもの初期の虫歯の特徴を知って、早期に治療を開始する
子供の虫歯は黒くない
虫歯は黒いものと思いがちですが、乳歯の虫歯は白いままで進行していることがあります。黒くなる虫歯はゆっくりと進行していきますが、白い虫歯は早く進行してしまいます。特に乳歯のうちは歯そのものが柔らかく、あっという間に白い虫歯になってしまうことがあります。
大人の虫歯のように見た目ではっきりと黒くなっているわけではないので、確認しづらい歯と歯の間などによく虫歯ができます。
奥歯の間など歯磨きしづらい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシなどでしっかり磨いておかないとなかなか気づかずに、突然穴が開いたようになってから驚くことがあります。歯科医院で最初のレントゲンを撮ってはじめて気づくということもあります。
子供の虫歯は痛くない?
虫歯になっても初期のうちはあまり痛みを感じません。虫歯が進行していっても、子どもは痛みの感覚が未熟なので、歯が痛んでいるということ自体に気付かないこともあります。
また、虫歯の部分そのものが痛いというよりも、虫歯で穴が開いた部分に食べかすなどが詰まって歯茎を圧迫して痛いということもあります。そのままきちんと歯磨きをしないと歯茎が腫れてしまって、痛みを訴えるということもあります。
子どもはあることに夢中になると痛みすら忘れてしまうことがあります。ですから、子どもが一時、痛みを訴えてもその後しばらくして尋ねるともう痛くないということもあります。
子どもの虫歯では、痛みで虫歯の程度を判断することが難しいので、親は仕上げ磨きの時に口の中の様子をしっかり観察することが大切です。
初期の虫歯は食事変化で起きやすい
子どもは大きくなるにつれ、味覚が変わっていきます。母乳やミルクから離乳食へと移行していくと徐々にいろいろな味があることを覚えていきます。さらにおやつなどを食べることで食感にもさまざまな違いがあることを知っていきます。
甘いお菓子などを食べ始めるとどうしても甘いものが美味しいと感じるようになり、食べる量も増えていきます。すると歯が溶けるスピードも速くなるため、虫歯の進行が早くなります。
これはチョコレートや飴などのお菓子だけではなく、ジュースやスポーツ飲料などを多量に飲んでいる場合も当てはまります。
子どもが成長する過程でさまざまな食事を摂れるようにすることは大切ですが、甘いものばかりを好んで食べるような偏食の子どもにしないよう大人が注意を払うことが必要です。
進行のはやい子どもの虫歯
乳歯は歯そのものが小さいため、中で神経が占める部分が大きくなっています。また、象牙質とエナメル質の厚さも薄いため、虫歯になるとあっという間に神経まで到達してしまいます。
乳歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、乳歯のエナメル質は大人の歯の半分の厚さしかないと言われています。食事をすると口の中では、歯が溶ける脱灰と溶けた歯をもとに戻そうとする再石灰化が繰り返し起きます。
虫歯がエナメル質の部分まででとどまっている場合は、再石灰化を進めることで虫歯の進行を止めることができます。ですが、その下の部分である象牙質にまで達してしまうと、虫歯は一気に広がってしまうというわけです。
初期の虫歯に用いる薬
乳歯の虫歯は進行が非常に早いので、虫歯を放置してしまうとほかの健康な部分も虫歯になってしまうことがあります。そのような場合、初期の虫歯には進行止めと言われる薬を使って、進行を遅らせるという治療を行うことがあります。
コンポジットレジンなどの詰め物をするといった治療がまだできないような年齢の子どもの虫歯にも進行止めの薬を塗って、経過を観察していくこともあります。
歯医者さんでよく使われている進行止めはサホライドという薬です。サホライドは虫歯になっているところだけが黒く染まるという特徴があります。虫歯の進行を遅らせる効果がありますが、虫歯自体が治ることはありません。これは6歳以下の子どもの乳歯の虫歯によく使われている薬です。
まずは進行止めの薬を使い、子どもが大きくなるのを待って、虫歯を削ったり、詰め物をしたりするのが一般的です。
まとめ
子どもの初期の虫歯の特徴を知って、早期に治療を開始する
子供の虫歯は黒くない
子供の虫歯は痛くない?
初期の虫歯は食事変化で起きやすい
進行のはやい子どもの虫歯
初期の虫歯に用いる薬