子供は痛みの感覚が未発達であるために、痛みに気づかないまま虫歯が進行してしまうということがあると言います。昨今ではごく初期の虫歯は削らない治療が主流だと言います。仕上げ磨きをする時にお子さんの口の中をよく観察して虫歯予防に努めたいものです。
虫歯 の 初期 について治療法も含めてご紹介いたします。
初期に見つければ削らずに虫歯が治せるのは本当ですか
子供の初期虫歯とは
歯科検診を受ける際に虫歯の進行度をC0~C4で表していることに気づかれた方は数多いのではないでしょうか。
虫歯の初期とはC0と言われる「エナメル質の表面がわずかに脱灰している」状態とC1と言われる「黒や茶色に変色して小さく穴が開いてしまった」状態を指します。
乳歯の虫歯は白いことが多く、注意深く観察していないと見落としてしまうことが多いものです。乳歯は柔らかいので虫歯になると進行が速いために大人のように黒い虫歯にならないことがあるのです。
また、母乳から離乳食を経ていく過程の中で甘い物を食べる機会も徐々に増えていきますので、歯を溶かすスピードに拍車をかけることも乳歯の虫歯の進行を速める原因になっています。
歯を覆っているエナメル質も乳歯のエナメル質の強度は大人の半分ですので、虫歯になりやすく、進行が速くなってしまいます。実は、食事の度に歯は脱灰と再石灰化を繰り返していると言います。
わかりやすく言えば、食事の度に歯が溶けて、それを元の状態に戻そうとすることを繰り返しているわけです。もし、虫歯がエナメル質内であれば再石灰化で治ることがあるというのはそのような理由によります。
初期虫歯の治療法
白く濁って見える乳歯のごく初期虫歯は削らずにフッ素塗布で歯の表面の強化を図ります。同時に正しい歯磨きの仕方やおやつについて指導を受けることになるでしょう。その後、定期的なフッ素塗布を続けていけば歯の再石灰化が進んでいきます。
乳歯の虫歯の進行が速いためにエナメル質から虫歯菌が歯の内部に侵入してしまった場合、虫歯の部分を削ってプラスチック素材で埋めることになりますが、乳歯は柔らかいのでプラスチックをはじきやすいので注意が必要になってきます。
そういう意味でも再石灰化が可能なごく初期の段階で虫歯を見つけて治療するのが賢明です。
進行の早い乳歯の虫歯のために一時的に進行を遅らせたり食い止めたりするサホライドという薬を塗布することもあります。虫歯の部分だけ黒く染まり、進行を遅らせる働きはありますが、虫歯を治す働きはありません。
また、乳歯から永久歯に生え変わる頃になると乳歯の根は溶かされて短くなってしまいますので、虫歯が進行して根の治療が必要になっても完全な治療はできなくなってしまいます。
いずれにせよ、一度削った歯は再度治療が必要になることが多いのは経験的にもよくご存知のことと思います。仕上げ磨きの機会にはお子さんの口の中を注意深く観察する習慣をつけるようにするといいでしょう。
気づきにくい子供の虫歯
乳歯で最も虫歯ができやすいのは奥歯と奥歯の間だと言われています。大人に比べて乳歯の奥歯と奥歯には隙間がないので、歯ブラシでは磨きにくいのです。仕上げ磨きででは必ずデンタルフロスを利用して、見えなくてもデンタルフロスの引っ掛かりに注意しましょう。
上顎の前歯と前歯の根元は哺乳瓶でミルクやスポーツドリンクなど甘味のあるものを飲み続けることが原因の哺乳瓶虫歯になることがあります。いわゆるダラダラ飲みは歯の健康のためにもお勧めできません。
奥歯の溝も虫歯菌が溜まりやすいところです。体質によってこの溝が深いこともあります。シーラントといって奥歯の溝をプラスチックで埋めてしまう方法もあります。
子供の歯茎は柔らかいのでどうしても歯と歯茎の境目をきちんと磨けなくて虫歯になってしまうことが多いものです。正しい歯磨きの方法を覚えると歯ブラシを強く当てなくても汚れを落とすことができるようになります。
保健センターや歯科医院の歯磨き指導を仕上げ磨きのために受けてみることをお勧めします。歯と歯茎の間に虫歯ができた場合、初期では透明感のない白色で帯状であることが多いのでその段階で気づいて歯科を受診すると削らずに治療ができることと思います。
まとめ
初期に見つければ削らずに虫歯が治せるのは本当ですか
子供の初期虫歯とは
初期虫歯の治療法
気づきにくい子供の虫歯