新学期の歯科検診では歯の健康について指摘されたお子さんもいるでしょうか。「C3と書かれたけど、痛がってないわ。」「C1ならほっといても大丈夫よね。」と思っている親御さん。放置すると 虫歯 が 神経 を侵し始めます。
ひどい 痛み が起きる前に治療を始めましょう。
痛みは突然。子供の虫歯、神経に達する前に治療を。
虫歯、神経に進行するまでの過程
初期の虫歯は、エナメル質を少し溶かした段階のC1といわれる状態であり、痛みは伴いませんので、この段階で指摘を受けた場合はすぐに治療を開始すれば、一度の歯科治療で終わります。しかも、この段階での治療であれば、必ずしも削るわけではありません。
子供の負担を減らしてあげられますので、なるべく初期虫歯のうちに対処しましょう。特にスポーツドリンクなどをよく飲むお子さんは歯のエナメル質が溶けやすく、虫歯になりがちですから気をつけて下さい。
初期虫歯を見つけるためには、初期虫歯の特徴をよく知っておいてください。虫歯の菌がエナメル質を溶かし始めると、歯の表面から歯茎側や、奥歯であればかみ合わせの部分に、白く濁ったものが溜まるようになります。これが時間とともに黄色く変色し、次第に黒く変わっていきます。
これを放置した場合は歯に黒い穴が開き、エナメル質の下層部分の象牙質へと進行していきます。この状態へと進んでしまった場合は、歯がしみるなど、少しずつ痛みを自覚するようになるでしょう。
痛みを放置し続け、象牙質からさらに進行した虫歯は、神経を含んだ歯髄を蝕みます。
このようにして神経に達するのですが、神経を侵しきると、ある日痛みから解放されます。
しかし、痛みから逃れたからと言ってこれで終わったわけではありません。さらに奥の顎の骨まで溶かしながら進行しているのです。すると、ある日突然再びひどい痛みにみまわれ、膿が出て手術を必要とする事態へとなります。
虫歯は治療をしなければ歯よりももっと深いところへと進んでいき、いずれ顎の骨を溶かしてしまう怖さを持っているのです。
歯の神経の構造
歯の神経は歯髄の中に含まれています。この歯髄は象牙質の中にあり、血管と神経を含んだ部分であり、主に象牙質への栄養補給と組織の修復を助けています。
歯のレントゲンを撮ったことがあるという方には想像しやすいと思いますが、歯の中の歯髄は黒い筋として写ります。この歯髄の部分や神経がとても大切なものです。虫歯がここまで達すると痛みを伴い、苦痛が生じますし歯科治療に負担を感じます。
前歯では1本、奥歯では2本から4本の神経がありますが、この神経は食べ物が熱いか冷たいかの判断や、虫歯の有無を知らせるのに役立っていると言えます。
そしてこの歯の中の神経は、あごの中の神経へとつながって1本の太い神経となっています。歯の神経を抜くと、歯がもろくなり、将来的に半分に割れてしまったり砕けてしまうなどのリスクを抱えた歯となりますので、なるべく虫歯が歯の歯髄や神経に至るまでに発見して治療を始めてください。
6歳臼歯の神経治療
乳歯は大人の歯と比べるとエナメル質の厚みが半分しかありませんので、虫歯になりやすいのですが、大人の歯である6歳臼歯もまた、非常に虫歯になりやすい歯です。
6歳臼歯は、文字通り子供が6歳の頃になると、一番奥の何もなかった歯茎から少しずつ表出して来る歯です。この表出の過程ではエナメル質がまだ弱く、他の歯と高さが並んでいないために、歯ブラシが届きにくいため、完全に生えるまでの間に虫歯になるということもあります。
将来的に歯並びを構成する時の軸となる歯ですから、大切にしていきましょう。
そして、この6歳臼歯の虫歯も神経まで達した場合、ひどい痛みを自覚しますが、子供によっては稀に、虫歯の痛みが気にならない場合もあるようです。もしも虫歯が進行していった場合は、神経治療を行うか、最悪の場合抜歯となります。
6歳臼歯の神経治療は、特に大切な歯であるにもかかわらず、親の看護下で歯磨きをさせる時期に親が怠ったとみなされ、ほとんどの場合親御さんに非があると責められている気になると思います。
しかし、それほどまでに大切な歯であることを自覚し、今後もお子さんの歯の健康に気を付けてあげてください。
まとめ
痛みは突然。子供の虫歯、神経に達する前に治療を。
虫歯、神経に進行するまでの過程
歯の神経の構造
6歳臼歯の神経治療