永久歯は一生使う歯だから大事にしなくては、でも乳歯はいずれ抜けるからとお子さんの小さな 虫歯 を 放置 している人がいたら、直ちに歯科医の診察を受けて下さい。放っておくと歯だけではなく健康、時には命まで失うこともあるからです。
虫歯の基本知識も含めてまとめました。
放置は厳禁!命にかかわることもある子供の虫歯
自然に治ることはない
虫歯はカゼや小さな擦り傷・切り傷とは違い、放置したままで自然に治ることはありません。進む速さはそれぞれですが、必ず進行する感染症だということを知っておいて下さい。
歯の見た目の変化や痛み等の自覚症状がないために、本人が気づかない間に内部では確実に症状が進んでいるのが怖いところです。
また残念ながら、一度虫歯になると、治療をしたからこれから先ずっと安心とは限りません。例えば、治療済みの歯の詰め物の中が虫歯になることがあります。この場合、痛みを感じない、見た目からもわからないままに神経にまで達してしまうことがあるからです。
削らないイコール放置してよいのではない
削らないことと放置することは全く違います。削らなくて済む虫歯もあるということです。ごく初期の場合、削って詰め物をするのではなく、それ以上進行しないようにフッ素を塗布する処置が行われる場合もあります。
神経に達する前
神経に達する前の段階の虫歯の場合、冷たいものを飲むとちょっとしみる、でも気のせいだろう、鏡でよくよく見ると少し歯が黒くなっているけれど茶渋だろう、と思う程度ではつい放置してしまう人が大人でも結構多いのです。
小さな子供の場合、自分で気が付くことはまずないと思っていいでしょう。
神経まで達すると
神経に達する前の状態で放置すると、当然ですが虫歯菌はいずれ神経にまで達します。神経前の痛みとは違って大人でも人によっては仕事も手につかないほど、子供なら泣き出すほど強いものになります。
副鼻腔炎
上の歯の場所は鼻腔と近いため、細菌が侵入して副鼻腔炎を起こすことがあります。虫歯金が原因の場合は、一般的な副鼻腔炎の症状だけではなく歯痛も伴います、。また、副鼻腔炎が長引いて慢性化したり悪化すると頭痛も引き起こします。
顔の形が崩れる
放置した虫歯が進み、歯がなくなっていよいよ根だけしか見えなくなるとかみ合わせがおかしくなります。これにより、顔やあごが腫れ上がりさらには形が崩れてしまうことがあります。特に子供の場合は成長が著しいために、受ける影響は大人よりずっと大きくなります。
また、食べ物をよく噛めないために消化不良等胃腸の問題を引き起こし、長引くと顔だけではなく、体全体の成長に影響を与えることもあります。
菌があごに入ると骨髄炎を起こす
虫歯が進行して菌があごの骨に侵入すると骨髄炎を引き起こします(顎骨骨髄炎)。あごの骨が腐敗するので周辺から膿が出てきて歯茎の腫れが起こり、食べ物が飲み込めないほど腫れることもあります。
激痛はもちろん、高熱や全身の倦怠感もみられます。骨髄炎も放置しておいて自然に治ることはありません。
命にかかわる場合
まれなケースですが、骨髄炎を放置しておくと虫歯菌はあごに留まることはなく、血管に入り血液の流れに乗って体全体に巡るため、心筋梗塞、脳梗塞、敗血症等様々なさらに深刻な病気を起こすことがあります。
米国で数年前にあるひとり親家庭の12歳の少年が、経済的事情で長い間虫歯の治療を受けられずにいました。ある日耐えられないほどの激痛が起こり、母親が呼んだ救急車で病院に運ばれました。この時すでに虫歯菌が脳に達しており、治療の甲斐なく数日後に亡くなりました。
医療費同様に歯科治療費も日本と比べて桁違いに高い米国で起きた悲劇です。
まとめ
放置は厳禁!命にかかわることもある子供の虫歯
自然に治ることはない
削らないイコール放置ではない
神経まで達した虫歯
副鼻腔炎
顔の形が崩れる
虫歯菌があごに入ると骨髄炎を起こす
命にかかわる場合