MRIとは 磁石でできた筒の中に入って、体内の臓器や血管などを撮影するための医療機器です。狭い筒の中に入るため、閉所恐怖症の人は検査が困難なこともあります。
子どもでは、鎮静薬を使って眠ってから、MRI検査を行うのが一般的です。
子どもも受けることができるMRIとは
MRIとはどんなもの?
MRIとはMagneticResonanceImagingの略称で、日本語では磁気共鳴画像診断装置といいます。MRIを使った検査では、非常に強力な磁石の筒のようなものの中に入って、磁気の力で体の中の臓器などを撮影します。体のさまざまな部位を検査することができます。
中でも、特に、脊椎や脳、四肢、さらに子宮などの骨盤腔にできた病変を見つけることに秀でています。病気の正確な診断に有効であるとされています。
CTスキャンとの違いは?
よくCTスキャンと比較されることがあるMRIですが、これらふたつの検査の原理はまったく違います。検査の仕方においては、どちらも丸い筒のような機械の中に体を入れて、体内の断層を見るものであるというのは非常に似ています。
MRI検査では、強力な磁力で体の中にある水分を作用させ、体の断層面を撮影していきます。CTスキャン検査では、レントゲン照射を行い、コンピュータで画像を作るという方法を用います。
MRI検査とCTスキャン検査のどちらを選ぶかということについては、撮影したい病変のある部位や病状などによって、医師が選択します。
ただし、ペースメーカーが体内にある場合は、磁場の高い場所に長時間いなければならないMRI検査はできないことがあります。検査の前に医師に確認されますが、患者側としても念頭に置いておく必要があります。
MRIのメリット
MRI検査のメリットとしては、CTスキャン検査よりも解像度が高いということがまずあげられます。また、放射線を使用しないため、被爆の心配がありません。
脳出血の範囲を判別しやすいというメリットがありますが、緊急の場合はCTスキャンを使うこともあります。脳腫瘍や脳梗塞がどのようになっているかも判別できます。イメージング処理を行うことで、体のどの側面もスライスして見ることができます。
また、造影剤を使わなくても、血管の画像を見ることができるのもメリットのひとつです。
MRIのデメリット
MRI検査にはデメリットもあります。長時間、丸い筒の中に入っていなければならないため、閉所恐怖症だと検査そのものが受けられないことがあります。CTよりもずっと長い時間がかり、動きに弱いという点も大きなデメリットとして考えられます。
検査の際に、ずっと工事現場のような大きな音が鳴るため、恐怖を感じることもあります。
また、撮影についてもデメリットがあります。解像度を下げると、スライスする間隔をせまくしても、うまく撮影できない部位が生じてしまいます。
子供がMRIを受けるときの注意点
小さな子どもがMRI検査を受けるときは、多くの場合、鎮静薬を使って意図的に眠らせてから検査を行います。これは、長時間、大きな音が聞こえる中、狭い検査機器の中でじっと動かずにいるということが難しいためです。
子どものMRI検査では、実際の検査の時間のほかに、その前後に鎮静薬を使ったり、目覚めさせたりする必要があり、大人の検査よりもかなり時間がかかります。
薬を使って眠らされている子どもは、自然睡眠時とは異なり、まれに気道を詰まらせるといった状態に陥ることがあります。
しかし、MRIの検査室の中は強力な磁場が発生するため、持ち込むことができない医療機器が多く、子どもの状態を把握するのが難しいといった実情があります。
心停止や呼吸停止といった重大な事態が発生しても、子どもが眠ってしまっているため、発見が遅れるという可能性もあります。
子どものMRI検査にはこうしたリスクがあるということを、親はしっかりと念頭に置いておく必要があります。また、検査が終わったあとにも親はしっかりと監視を続けることも大切になります。
検査が終わって、家に帰ってからも眠ってしまう場合は、2時間以内に1度は無理にでも起こして、呼吸が普段通りかどうかを確認するようにしましょう。
検査後の食事については、まずは、水分をきちんと摂ることができるかどうかを確認してから与えるようにします。
また、目覚めたあともふらつくことがあるので、検査のあと、8時間はひとりで入浴させないようにします。検査のあと、24時間は親のいないところでの水泳や、転倒の危険がある自転車に乗るといったことのないように注意します。
起こしているのに目覚めず、反応がないときや、呼吸がいつもとは違っておかしいときなどはすぐに救急車を呼んで、検査をしてもらった病院に再度、受診するようにしましょう。
まとめ
子どもも受けることができるMRIとは
MRIとはどんなもの?
CTスキャンとの違いは?
MRIのメリット
MRIのデメリット
子供がMRIを受けるときの注意点