水いぼ は見た目で感染がすぐに分かることから、 プール での対応について、幼稚園や学校によって方針が異なることが多い病気です。
赤ちゃんや小さな子供は、他の人にうつしてしまうことも多いので、きちんと治療する方が安心です。
水いぼができた子供は、プールには入れない?
「水いぼ」と「いぼ」の違いとは?
「水いぼ」も「いぼ」もウイルス感染によりできるのは同じですが、原因となるウイルスは全く別のものです。
「水いぼ」は、正式名称を「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」といい、ポックスウイルスが原因でできます。水いぼの表面は、つるつるとして光沢があり、大きなものは真ん中がへこんで見えます。大きさは5ミリ以下のものが多いですが、放置すると数が増えることがあります。全身、どこにでもできます。
一方の「いぼ」は、「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」といい、ヒトパピローマウイルスが原因となります。いぼの表面は、ざらざらして、ドームのように盛り上がっています。いぼは手足の指や、足の裏にできることが多いです。
水いぼの感染ルート
水いぼは、接触感染で広がっていく病気です。自分の手で掻いて、ウイルスを周囲に広げてしまうため、数がどんどん増えていってしまいます。
特に、アトピー性皮膚炎の子供は、皮膚のバリア機能が低下していることが多く、自分で掻いてしまい、あっという間に全身に広がってしまうことも少なくありません。
皮膚が接触することでうつるので、薄着になる夏は子ども同士が遊んでいるうちに接触しうつることもあります。
レスリングなどの肌が接触することが多いスポーツでも感染が拡大します。
水いぼができている時のプールについて
平成25年5月に発表された日本臨床皮膚科医会の見解では、水いぼは、プールの水でうつることはないとされました。ただし、プールに入る際に使うタオルや浮き輪、ビート板などを介してウイルスが拡散することがあるので、共用は避けるように提言されています。
水いぼは患部と接触することによって、人から人へとうつっていく病気です。プールに入ると子供同士でふざけ合って、接触することが多くなります。プールに入る際には、他の人にできるだけうつさないように、患部を大きな絆創膏で覆うなどして、他の人との接触の機会を減らすようにしましょう。
幼稚園や学校の方針で、水いぼがある間はプールに入らないようにと指示されることもあります。その場合は、他の子供へできるだけ感染させないようにするための配慮だということを理解して、早急に水いぼの治療を終えるように努力しましょう。
水いぼの治療
最も一般的な水いぼの治療は、ピンセットでつまんで、中の芯を取り出してしまうというものです。この治療はとても痛いので、子供によっては暴れてうまく治療が施せないこともあります。
できるだけ数の少ないうちに、ピンセットでの処置が終わるよう、水いぼに気づいたらすぐに病院に行って処置をしてもらいましょう。
病院によっては、ピンセットでの処置を行う前に、局所麻酔のシールなどを貼って、痛みを緩和させてくれるところもあります。数が多くなってから処置を始める場合は、何度も病院に通わなければならないこともあります。
子供が痛みと恐怖で治療を嫌がることにもつながりますので、数が少ないうちに全て除去してしまうのが理想的です。
水いぼは治療しなくても、半年~2年ほどで自然治癒することもあります。ですが、自然治癒までの時間は個人差が大きいことと、放置するとどんどん数が増えてしまうこと、他人へ感染させてしまうことなどを総合的に考えると、治療を行う方が子供にとって良い結果となるでしょう。
水いぼを悪化させないためには
水いぼは、肌が乾燥しているとあっという間に広がっていってしまう病気です。肌のバリア機能の低下が、水いぼを悪化させてしまうことに繋がります。
子どもの肌は、クリームやローションなどでこまめに保湿して、肌理(キメ)を整えることで水いぼの拡散を防ぐことができるようになります。
肌のバリア機能が低下するのは、空気の乾燥が気になる冬だけではありません。日頃から、子どもの肌の状態をよく観察し、必要であれば、小児科などで保湿のためのクリームやローションを処方してもらうようにしましょう。
まとめ
水いぼができた子どもは、プールには入れない?
水いぼといぼの違いとは?
水いぼの感染ルート
水いぼができている時のプールについて
水いぼの治療
水いぼを悪化させないためには