水いぼ は光沢のある柔らかいいぼで、原因はウイルス感染です。概ね半年~2年でウイルスに対する抗体ができ自然に治る事が多いですが、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルがあると、水いぼにかかりやすく、また悪化する可能性が高くなります。
水いぼにかかってしまった場合は、自分の体の他の部分や、他のお友達に水いぼを感染させないように配慮しなければなりません。
水いぼの特徴と日常生活での注意点
水いぼの特徴
いぼは、皮膚から半球状に盛り上がって見える小さなできもので、ウイルス性・老人性など様々な種類があり、手足・首・胸・脇の下・顔等、全身のあらゆる箇所にできます。水いぼは、そのようないぼの内の一種で、正式名を「伝染性軟属腫」と呼びます。
ウイルス感染が原因のいぼは、一般的に「ヒトパピローマウイルス」によって引き起こされますが、水いぼの原因となるウイルスは「伝染性軟属腫ウイルス」で、ウイルスの種類が異なります。
水いぼの外観は、表面に光沢があり、丸くて柔らかく、てっぺんがすこし凹んでいるのが特徴で、大きさは直径1~5mm程度と小さいです。水いぼには、中心に白い芯のようになっているウイルスの塊があり、その芯を完全に取り除かないとウイルスが皮膚の他の部分に広がり、次々と新しい水いぼができてしまいます。
水いぼができやすいのは、腕や膝の内側、お腹、脇の下、外陰部等皮膚が柔らかい部分で、肌同士が擦れる事によって水いぼが潰れやすいため、あっという間に水いぼの数が増えてしまいます。
水いぼは、やがてウイルスに対する抗体ができて自然に治る事が多いので、特に治療を行わないという考え方もある一方、体中に広がってしまう、もしくは他のお友達に感染させてしまうことを避けるため、水いぼを取るという積極的な治療が必要という考え方もあります。
水いぼとアトピー性皮膚炎の関係
水いぼは、5歳位までの子供に多く発症します。個人差は大きいですが、概ね半年~2年で抗体ができるため、小学校に入学する頃には自然治癒する場合がほとんどです。
そのため、水いぼを取らずに、家庭でできる治療をして様子をみる場合も多いですが、アトピー性皮膚炎・乾燥肌などの肌トラブルがあると、水いぼにかかる可能性が高くなり、悪化もしやすくなりますので注意が必要です。
アトピー性皮膚炎・乾燥肌などにより肌のバリア機能が低下すると、外部からウイルスが侵入しやすくなり、水いぼに感染しやすくなります。また、肌トラブルによる激しい肌のかゆみから水いぼを掻き壊してしまうと、細菌が感染してとびひの原因になってしまいます。
水いぼの治療を行う際には、アトピー性皮膚炎・乾燥肌についても適切な治療を行いましょう。アトピー皮膚炎や乾燥肌の治療では、皮膚の炎症やかゆみを抑えるためステロイド軟膏を用いますが、皮膚の免疫力が低下して水いぼが悪化する事があります。
しかし、自己判断でステロイドをやめると、アトピーがひどくなり、ますます肌の状態が悪くなる可能性もありますので、やはり、アトピー皮膚炎や乾燥肌の治療は継続する必要があります。アトピー性皮膚炎と水いぼの両方の症状が同時にある場合、どのように治療を進めるかについては皮膚科に相談した上で決定しましょう。
水いぼがある時の日常生活の注意点
水いぼがある時、家族一緒にお風呂に入って良いのか不安になります。水いぼは、お風呂のお湯からは感染しませんが、お風呂で直接皮膚が触れ合うと感染する事がありますので、特に小さい兄弟がいる場合、お風呂は別に入った方が無難です。
また、水いぼのウイルスがタオルに付着している事がありますので、タオルは共用しないようにしましょう。
水いぼの周辺には湿疹ができやすいので、かゆみを感じる場合もありますが、皮膚の他の箇所にウイルスを広げないために、できた水いぼを触ったりかいたりしないようにしましょう。汚れた手で水いぼを引っ掻いてしまうと、細菌感染を起こしとびひの原因になる場合もあります。
また、水いぼを悪化させないため常に肌の保湿と清潔を心がけましょう。皮膚科で保湿剤を処方してもらうのが良いですが、市販品を用いる場合は低刺激のものを選びましょう。また、肌の乾燥を防ぐために、肌を洗う時には皮脂を取りすぎないように注意しましょう。
さらに、登園の際には、他のお友達に患部が接触しないように水いぼの部分をガーゼ・包帯・絆創膏で覆いましょう。園の方針によりますが、防水絆創膏で患部を覆えばプール可能な場合もあります。ただし、覆った部分がかぶれたり不潔になったりしないように十分注意しましょう。
水いぼに感染したのが明らかになった場合は、皮膚の他の部分に水いぼを広げないように、また、他のお友達に水いぼを感染させないように配慮しなければなりません。
まとめ
水いぼの特徴と日常生活での注意点
水いぼの特徴
水いぼとアトピー性皮膚炎の関係
水いぼがある時の日常生活の注意点