水イボ の多くは3歳から15歳の間で発症が見られることが多く、10歳以下で80%以上を占めます。自然治癒もみられることもあり、強いかゆみを伴うなどの事も少ない事から意外と見逃されがちなものでもあります。
しかし、水イボは悪化すると全身に広がる事もあり人に感染させてしまう事もある病気です。水イボが増えてしまうと治療に時間がかかりますので、早めの対処が必要です。せめて5個以上増えない段階での治療開始が望ましいとされています。
水イボ治療のあれこれ
原因
伝染性軟属腫ウイルスによる感染で、水イボができます。このウイルス自体の感染力はさほど強いものではありませんが、プールなどで直接体が触れ合ったり、タオルを共有するなどしたりした濃厚な接触が原因で感染する事例が多くみられています。
また、アトピーなどで皮膚バリアが弱くなっている状態でも感染しやすい傾向にあります。
伝染性軟属腫ウイルスは一度感染すると抗体ができ、1から2年もすると自然治癒に至る事が殆どですが、子どもの場合ひっかいたりするなどして感染範囲の拡大が懸念されますので、発見したらすぐにでも治療を開始する事をお勧めします。
小児科と皮膚科の考え方の違い
子供の場合、内科疾患や皮膚疾患等ジャンルは問わず、子どもの病気の殆どは小児科受診で済ませる事が出来ます。しかし、医療ジャンルの特性から治療方針に他の専門医と見解が違う事があります。
小児科医はもちろん子供優先ですので、あまり子供自身に負担をかけないような治療方針を選択する傾向があります。
水イボの治療においても自然治癒で対応できる病気であり、悪化したらその時に対応すればよいといった考えが多くみられますので、積極的な治療は行わない事が多くみられます。
一方、皮膚科医であれば視点は水イボを治療するという事になりますので徹底した治療方針を打ち出します。
水イボで子供を受診させる場合には親がどういった治療の方向性を考えているかという事も考慮して受診する診療科を選択するとよいでしょう。
外科的積極治療
代表的な治療法は、ピンセットでつまんで水イボをむしり取ってしまう方法です。水イボの中にあるウイルスの芯をとってしまう事で治療します。皮膚科ではこの方法がまず選択される事が多い傾向にあります。
しかし、子どもにとっては苦痛で治療後も痛みが持続します。一応、術前にはペンレステープ等の局部麻酔を使用しますが、無痛というところまでには至りません。治癒期間は短くて済むので、子どもの年齢に合わせて考えてあげるとよいでしょう。
次によく行われるのが、液体窒素を利用した凍結手術や硝酸銀ペースト塗布による薬品焼き手術です。
皮膚組織自体を凍結したり、焼いたりする事でウイルスの死滅を図っていくのですが、療法とも一回の施術では完治に至らず、数回繰り返す必要があります。痛みを伴う事は少なくて済みます。
意外と自己治療でいける!?
時間はかかりますが、手間暇をかける事で痛みを伴わず、病院にも通院せずに水イボを治療する方法があります。それは、うがい薬で有名な明治のイソジンを使用する方法です。
今後、イソジンは名称が変わってしまうそうですが成分はそのままの物が市販されるそうですので、お探しの際はパッケージをよく確認してください。必要な備品はイソジン傷薬(液体)イソジン軟膏、綿球、ガーゼです。
まずはイソジン傷薬で水イボとその周囲を消毒します。その後に、イソジン軟膏を水イボに被せるように塗布します。その上にガーゼを被せ再度イソジン液を垂らしてテープや絆創膏で覆ってしまいます。
これを朝晩2回交換してください。おおよそ1週間程度で水イボは完治します。乳幼児などは特にこの方法をお勧めします。
ただし、化膿がひどいような場合はこの方法はお勧めできません。治癒に必要な細胞まで殺菌してしまう恐れがありますので、治りが遅くなる場合があります。このような場合は自己判断せず、医師に直接見てもらってください。
まとめ
水イボ治療のあれこれ
原因
小児科と皮膚科の考え方の違い
外科的積極治療
意外と自己治療でいける!?