健康な便の水分量は70~80パーセントだと言われています。便にそれ以上の水分を含むと軟便や下痢という状態になるわけです。 水下痢 とは便に粘性がほとんどなく、勢いよく水が出るかのような下痢なので長く 止まらない と心配なものです。
水下痢が続く原因と対処法についてご紹介いたします。
なぜか止まらない水下痢の時どうしますか
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水下痢とは
便の状態は健康のバロメーターです。色・形状・臭いなどお子さんの健康状態や病状をチェックするための大切な情報源であると言えます。
健康な便の水分量は70~80パーセントです。いわゆる下痢の状態である軟便ではその水分量は80~90パーセント、水分量が90パーセントを超えると便が形状をなさない水下痢といわれる状態となります。
そもそも下痢とは何らかの原因により腸の動きが過剰になってしまって、消化物が速く腸を通り過ぎてしまいすぎるために、腸において十分に水分を吸収することができなくなって引き起こされる現象です。
水下痢の原因として多くみられるのは、ウイルスや細菌が原因の急性胃腸炎です。子供は免疫力が低いためにウイルスや細菌に感染することも多く、ウイルスや細菌の種類も非常に多いために水下痢になることも多いものです。
ウイルスや細菌が原因の急性胃腸炎の場合には、体内に侵入してきた異物を早く体外に排出しようという防御反応が働くために軟便ではなく、水下痢になることが多いようです。
ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎で経験のある保護者の方も多いのではないでしょうか。
もうひとつの原因には大人で言う過敏性腸症候群症状のような反復性軽症下痢が考えられます。ストレスにさらされているのは大人も子供も同じです。慣れない環境や大きな不安などのストレスが腸を過剰に動かして水下痢になってしまうことがあるのです。
水下痢の対処法
お子さんの水下痢が続いている時に一番注意しなければならないのは、脱水症状です。体内の水分が失われていくのですから、補充しなくてはなりません。
ただし、一度に大量の水分のを摂取したり、冷たいものを摂取するのは厳禁です。常温、ぬるめの白湯や番茶などをこまめに少しずつ摂らせてください。
ご存知のように脱水状態になると体内で欠乏するのは水分だけではありません。そのため、塩分やミネラルを含んだ子供用のイオン水やミネラル麦茶などを活用して、塩分やミネラル分の欠乏にも配慮するようにしましょう。
また、子供の急性胃腸炎には吐き気や嘔吐の症状を伴うことが多いものですが、その際には特に誤嚥しないように注意を払いながら水分摂取に努めるようにしてください。
上述したように、お子さんに多いウイルスや細菌が原因の急性胃腸炎では体の防御反応として異物をいち早く体外に排出しようとしているのが下痢ですので、安易な素人判断で下痢止めの薬を服用させることはお勧めできません。
現在では急性胃腸炎の原因ウイルスは迅速に診断できるようになっています。下痢の原因となるウイルスや細菌によって対処法やその後の経過も変わってきますので、お子さんの水下痢の原因が感染性のものである可能性がある場合は早めの受診をお勧めします。
ウイルスや細菌によって腸の粘膜に炎症が起こると乳頭という粘膜の先の方も炎症を起こしてしまいます。粘膜は非常に治りが早いものですが、下痢を繰り返していると治りかけたかさぶたをはがしてしまうということを繰り返すことになってしまいます。
そのため、絶食して点滴治療で下痢を治すということがなかなか困難な幼いお子さんは食べながら治すということになって、結果的に下痢が長引くことが多くなるものなのです。
ここに注目、子供の下痢
乳児や幼児、学童期の子供はよく下痢をするものです。上述したようにその原因の多くはウイルスや細菌による感染性胃腸炎ですが、特に病気ではないのに水下痢をするというようなこともあります。
いわゆる寝冷えのようにおなかを冷やしてしまったり、食べ過ぎてしまったりとその原因もさまざまです。中には、反復性軽症下痢症状と呼ばれる体質的にお腹が弱くて下痢をしやすいお子さんもあります。
発熱や嘔吐など下痢以外の症状と全身状態、便の状態や機嫌の良し悪しなどお子さんをよく観察して総合的に判断することが大切になってきます。一般的には食欲があって、元気に過ごしていればまず問題がないと考えてよいでしょう。
反対に発熱や嘔吐などの症状があって、痛みやだるさで機嫌が悪いというような場合は何らかの病気が原因の下痢であると考えられますので、受診の目安になると思います。
まとめ
なぜか止まらない水下痢の時どうしますか
水下痢とは
水下痢の対処法
ここに注目、子供の下痢