麻疹は恐ろしい感染症のひとつで、感染した人の約千人に1人の割合で死亡しています。また、合併症を引き起こしやく、合併症により後遺症が残ることもあります。
そんな恐ろしい麻疹ですが、予防接種を受けることで、我が子を麻疹から守ってあげることができます。それでは、 麻疹 の症状と合併症、そして予防接種について詳しく見ていきましょう。
恐ろしい感染症・麻疹。その症状と合併症、予防接種について
麻疹の原因と症状
麻疹は、麻疹ウィルスに感染することで発症する病気です。麻疹ウィルスは感染力がとても強いウィルスで、主な感染ルートは飛沫感染です。麻疹に感染している人のせきやくしゃみから出た麻疹ウィルスが空気を介して体内に侵入し、麻疹に感染するのです。
麻疹ウィルスに感染すると、10~12日の潜伏期間の後、38度前後の発熱が出ます。そして、熱に続いてせきや鼻水、目やになどの風邪に似た症状が現れます。発症して3日経った頃には、目の充血や、コプリック斑と呼ばれる麻疹特有の症状が現れ始めます。これは、頬の粘膜に白い口内炎のようなブツブツが数個から数十個できる症状です。
38度前後の熱は3~4日続いた後、一旦は下がります。しかし、すぐに39~40度の高熱が出て、それと同時に小さな赤い発疹が耳の後ろあたりから出はじめます。発疹は3日程経つと全身に広がります。高熱は3~4日続いた後に下がり、それとほぼ同時に発疹も消えていきます。
しかし、しばらくの間は発疹があった箇所に色素沈着が残ります。
気をつけたい合併症
麻疹で気をつけたいのは合併症です。麻疹の主な合併症には、気管支炎、中耳炎、肺炎があります。100人中1~5人の割合で肺炎の合併症が見られ、100人中7~9人の割合で中耳炎を併発しています。
また、まれに(約1000人に1人)、麻疹の合併症として脳炎を発症することがあります。脳炎を発症すると、けいれんや意識障害を引き起こし、知的障害や身体麻痺などの後遺症が残る場合があります。
さらに、麻疹が完治して4~5年経ってから、合併症の症状が現れることもあります。これは、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる脳炎で、10万人に1~2人の割合で起こるといわれている恐ろしい合併症です。
この亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症すると、意識障害や、けいれん、知能の低下といった症状が徐々に現れてきます。
予防接種を受けましょう
麻疹は、数千人に1人の割合で死亡するとても恐ろしい病気です。しかし、予防接種を事前に受けておけば、我が子を麻疹や合併症から守ってあげることができます。
麻疹の予防接種は、通常、麻疹・風疹ワクチン(MR)を1期と2期の2回接種します。1歳になったら、受けられる予防接種ですので、1歳になったらなるべく早く麻疹の1期予防接種を受けましょう。
麻疹の治療とケア
麻疹を発症した場合、すぐに病院を受診することが大切です。病院では、個々の症状に応じた治療を行います。熱が高かったり、症状が重かったりする場合には入院治療を行う場合もあります。また、肺炎や中耳炎などの二次的な細菌感染予防のために抗生物質が処方されることもあります。
熱が下がり、発疹が消えるまでは自宅で安静を心がけましょう。高熱が続くと、脱水症状を起こすこともあるので、経口補水液などでこまめに水分補給をしてあげることが大切です。
また、衣服を着せすぎると、うまく熱が発散されずに熱が長引いてしまうことがあるので、衣服の着せすぎには注意をしましょう。熱が下がって3~4日経つまでは入浴は控えます。
病院受診の目安
麻疹の初期症状は風邪の症状と似ているため、麻疹に気が付くことは難しいものです。しかし、コプリック斑と呼ばれる麻疹特有の症状が見られたら、麻疹に感染しているサインですので、すぐに病院を受診して治療をしましょう。
また、高熱に際などに脱水症状が見られたら、すぐに病院を受診することが大切です。
まとめ
恐ろしい感染症・麻疹。その症状と合併症、予防接種について
麻疹の原因と症状
麻疹の合併症
予防接種を受けましょう
麻疹の治療とケア
病院受診の目安