子供 の咳が止まらない時、まずは風邪を疑い風邪薬を飲ませるかもしれませんが、 マイコプラズマ肺炎 の場合は風邪薬は効果がありません。また、乳幼児よりも学童期には長引く場合があり、感染力が高いため、周囲で流行りだしたら適切な対応を行い、十分気をつけましょう。
風邪と違う、子供のマイコプラズマ肺炎は出席停止の感染症。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は乳幼児から学童期の罹患数が全体の7~8割を占めており、お年寄りよりも若者の方がかかりやすく、97%の人が成人になるまでに経験するといわれています。
一般的な肺炎より症状は軽いものの長引き、感染力が強いため、周囲で流行りだすと一気に広がりだします。4年に1度流行するといわれ、「オリンピック病」と呼ばれていたこともありますが、近年ではこの周期が短くなっているといわれています。
また、マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマ・ニューモエニアという細菌により引き起こされる感染症であり、このマイコプラズマ・ニューモエニアは細菌でもなくウイルスでもない特性を持っています。
細菌より小さく、ウイルスよりも大きく、ヒトの細胞外でも増殖する点や、細菌の持つ莢膜や細胞膜を持たないため、ペニシリンなどの抗生物質が効きません。気道に感染し気管から肺に移り肺で増殖します。
マイコプラズマ肺炎の症状
マイコプラズマ肺炎に感染すると、14日~21日程度の潜伏期間を置き発症します。
初期症状は風邪のようであり、乾いた咳や軽い発熱症状があらわれるため、風邪薬を飲ませる場合もあるかもしれませんが、あまり効果はありません。
そのまま進行すると、夜間に咳が止まらなく、辛そうにしている場面がみうけられたり、胸の痛みを訴えたり、倦怠感・疲労感があらわれます。熱は初期症状では高くはありませんが、症状が進行すると39度を超えてくる場合もあります。
風邪との違いは、咽頭痛や鼻汁があまり出ないことと、微熱が長引くことです。また、一度かかったとといって油断しているわけにはいきません。マイコプラズマ肺炎は一度かかったら一生免疫がつくわけではなく、複数回感染する可能性があります。
マイコプラズマ肺炎が周囲で流行し始めたら、子供の症状をよくみて適切な対処を行いましょう。
マイコプラズマ肺炎の治療法
先述したように、マイコプラズマ肺炎に代表的な抗生物質や風邪薬は効果がありません。しかしながら、回復をさせるためにはどのような治療を行うのでしょう。
それはマイコプラズマ肺炎に効果のある抗生剤を用いることと、対症療法です。
しかしこの抗生剤については問題点も徐々に出てきており、注意が必要となっています。これまで効果があるとされていたマクロライド系という抗生剤に耐性のあるマイコプラズマ肺炎が増えつつあり、その割合は、2000年の15%から、2006年の30%と、6年の間に倍増しています。
今後も、今のところ効果がある抗生剤が効かないマイコプラズマ肺炎菌が増える可能性は否定できないため、まずは適切に予防することで、感染のリスクそのものを減らしていく努力が、より必要とされています。
マイコプラズマ肺炎は出席停止の感染症です。
軽い風邪かと思い、子供を出席させていた場合、その行為がマイコプラズマ肺炎を蔓延させる原因となることを親御さんには忘れないでいただきたいと思います。
マイコプラズマ肺炎は学校保健法では第3種の感染症に規定されています。
第3種感染症に分類されている感染症は他にはコレラ、細菌性下痢、チフス、流行性結膜炎などがあり、医師が出席の許可を出すまでは出席してはいけない分類に入っているのです。
周りで流行させないよう、毎朝お子さんの状態に目を配り、軽くても症状がある場合はすぐに通院してください。
マイコプラズマ肺炎の予防法
マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染です。集団生活の場、しかも子供同士のように近い関係ならすぐに感染するため、お互いにマスクをして移さない、移されない関係にすることと、手洗いうがいの励行が肝要です。
アルコール殺菌も取りいれて、効果的に予防をしてください。
まとめ
風邪と違う、子供のマイコプラズマ肺炎は出席停止の感染症。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎の症状
マイコプラズマ肺炎の治療法
マイコプラズマ肺炎は出席停止の感染症です。
マイコプラズマ肺炎の予防法