LDLコレステロールの別名悪玉コレステロールと聞くと非常に体に悪いものと考えがちです。血液検査の数値が高い場合、動脈硬化などのリスクが高まるということを知る人は多いと思いますが、数値が 低い 場合も体への影響は大きいようです。
今回は LDLコレステロール を紹介します。
LDLコレステロールの数値が低い場合、体への影響は?(前編)
LDLコレステロールとは?
LDLコレステロールはLow Density Lipoprotein cholesterolの頭文字をとってLDLコレステロールと言われていて、別名悪玉コレステロールと言われています。
LDLコレステロールは体内にコレステロールや脂を運ぶ働きがあるため、数値が高くなると脂などが血管壁にへばりついたままとなり、血液をドロドロにしてしまい、結果的に動脈硬化を引き起こすこととなります。
成人のLDLコレステロールの基準値は、以前は男女共通で60mg/dlから119mg/dlとなっていましたが、新基準が設定され男性は72mg/dlから178mg/dlとなりました。
新基準での女性の基準値は年齢ごとに基準値が異なり30歳から44歳までが61mg/dlから152mg/dl、45歳から64歳までが73mg/dlから183mg/dl、65歳から80歳までは84mg/dlから190mg/dlとなっています。
しかしこの基準値はあくまでも成人期の値です。子供の基準値はこれとは異なりますが、子供の場合基準値を決めるためおデータとなる血液などを大量に集めることが困難なため、正式な基準値というものが設定されていません。
血液検査における子供の基準値はいずれの検査項目も比較的高値を示す場合が多いようです。
例えばALPと言われ肝臓や骨に異常がある場合高値を示すアルカリホスファターゼの子供の値は、1歳から思春期前期までは成人の基準値の3倍から4倍、思春期ではもっとも高く4倍から6倍の値を示します。
ASTと言われ心臓や肝臓などに何らかの問題があった場合に上昇するアスパラギン酸サミノトランスフェラーゼは、新生児のころは1,5倍で、7ヶ月ごろに2倍と最高値を示し、徐々に値が低くなり、10歳ごろに成人と同じ値となります。
そのほかの検査値も成長期である子供の値は成人と比べて1,5倍から3倍を示すものが多いようです。
そういった中ではLDLコレステロール値は極端に子供の値と成人の値がかけ離れているとは言われていませんが、子供の場合、元々どの検査項目も比較的高値が出やすい状態であることを踏まえ、一つの検査値だけに注目し過ぎず複数の検査値から慎重に病名を判断していく必要があるようです。
男児は女児よりもLDLコレステロール値が高めに出る傾向にあります。
また肥満の子供もLDLコレステロール値が高い傾向にあります。血液検査の結果は高値を示した場合に何らかの疾患のリスクが高まるように考えがちですが、低い値を示した場合も高値の時とは異なる体への影響が出ることをしっかりと理解しておきましょう。
まとめ
LDLコレステロールの数値が低い場合、体への影響は?(前編)
LDLコレステロールとは?