毎年冬になるとインフルエンザによる子供の 急性脳症 ・脳炎がニュースになります。インフルエンザの一般的な症状以上に怖い脳症ですが、具体的にはどういった症状が出るのでしょうか。予備知識として特に、小さな子がいる家庭でぜひ知っておいて欲しい内容をまとめました。
脳炎との違いも含めて、最も割合が多いインフルエンザ脳症を中心に詳しく見て行きましょう。
命に関わることも!知っておきたい急性脳症の怖さ
脳炎との違い
脳炎か脳症か区別するのが難しいために、インフルエンザ脳炎・脳症というふうにまとめて使われることが多いのですが、脳炎は脳内にウイルスが存在することで問題が起こるので直接的と言えます。もちろんインフルエンザウイルス以外のウイルスによる脳炎もあります。
日本脳炎や単純ヘルペス脳炎等です。これに対し脳症は、脳そのものの中にはウイルスは存在してないにもかかわらず、ウイルスが間接的に悪さをすることで時には命にもかかわる脳炎以上に深刻な問題を起こします。
ウイルス別の割合
インフルエンザウイルスによる割合が約25%といちばん多く、ヘルペスが約10%、ロタ数%と続きます。
具体的な症状
最も多いインフルエンザウイルスによる場合、よく知られている高熱、嘔吐・下痢、脱水症状などに加えて、けいれん、意識障害(意識不明、もうろうとする、起こしても起きない)、異常行動(うわごと、幻覚を見る等)、臓器不全等が起こります。
高熱同様に、徐々に症状が進むのではなくて急激に起こるのが特徴です。ヘルペスが原因のものはあらゆる年代に起こりますが、50から60代に最も多く、インフルエンザによる症状に加えて聴覚・自律神経障害等さらに多くの深刻な症状が見られます。
治療法
脳症らしき症状が疑われたらすぐに医師の診察を受けることです。早いほど治療の効果があります。インフルエンザ脳症・脳炎と診断された場合は大きく分けて二つの治療となります。
一つはインフルエンザそのものに対する治療、もう一つは脳症の免疫異常の治療です。
注意点
過去に脳症との関連性が問題とされた特定の解熱剤(処方薬)の例があります。市販薬を使用する際も必ず医師に相談して下さい。インフルエンザの症状は風邪と似ているように見えますが、風邪とは違う病気なのです。素人判断は危険です。
死亡率、後遺症率
現在死亡率は約10%まで減少しています。ちなみに1998年から1999年は約30%と非常に高い数字でした。後遺症は約15%の子供に残ります。この数字には軽度から重度までの後遺症が含まれます。
どんな後遺症か
代表的なものはてんかんや各種の発達の障害です。後遺症を軽減するための継続的な治療やリハビリが必要となります。ヘルペスウイルスによる脳症では障害同様に後遺症の種類がさらに増えます。
予防法
言うまでもありませんが、インフルエンザにかからないようにすることです。それには家族全員がうがい・手洗いの生活習慣を徹底する、不必要な人ごみへの外出を控える、本格的な冬になり流行り出す前に予防接種を毎年きちんと受けることです。
接種によりインフルエンザにかかるリスクが下がるのはもちろん、かかった場合でも受けていない場合に比べて各種の症状が軽くて済み、脳炎・脳症のリスクも下がるという結果が出ています。副作用が不安な場合は、かかりつけの医師に相談した上で決めることが大切です。
現在日本では認められていない鼻からのミストタイプのワクチンが数年後には可能になるという情報もあります。ちなみに米国ではすでに認められています。
まとめ
命に関わることも!知っておきたい急性脳症の怖さ
脳炎との違い
ウイルス別の割合
症状
治療法
注意点
死亡率、後遺症率
どんな後遺症か
予防法