子供の 急性腸炎 は年間を通して発症するリスクがあり、常に予防の意識を持つことが大切です。また、子どもの場合保育園、学校など集団生活をする場面が多いので、他人にうつさないと言った意識も子供自身に持たせる必要があります。
なかなか予防という意識が根付きにくい子供ですが、最近では、菌やウイルスも多様化してきており最悪、重篤な状態に陥るといった事もまれではありません。是非、親子が予防の重要性を認識し、しっかりと対応できるよう学習や予行訓練を行ってください。
子供の急性腸炎!予防と対策を学ぶ
急性腸炎とは
急性腸炎とは、何らかの要因で腸に炎症が起こり嘔吐や下痢の症状を引き起こす症状を伴う病気の総称で、場合によっては発熱、脱水等重篤な症状を呈する事もあります。
細菌やウイルスによる感染性の物や非感染性のアルコールの飲みすぎや香辛料のとり過ぎなど物理的な要因も急性腸炎の要因となります。子供の場合、ウイルスや細菌による感染性の胃腸炎を起こす事が良くみられます。
夏場に多い細菌感染による急性胃腸炎
O-157(腸管出血性大腸炎)による食中毒が有名ですが、他にも腸炎ビブリオ、カンピロバクター、病原性大腸菌等食中毒を引き起こす菌があちこちに潜んでいます。細菌感染による腸炎はウイルス性に比べ症状が重く出る事が特徴です。
冬場に多いウイルス感染による急性胃腸炎
毎年11月頃よりノロウイルスから始まり、ロタウイルス、アデノウイルスと4月頃まで、ウイルス感染症の広がりがみられます。初期症状は咳・鼻水と風邪症状に似ていますが、次第に嘔吐・下痢、時には熱発へと移行して行きます。子供の中でも特に幼児に多く発症する傾向があります。
急性腸炎の予防対策 食品
急性腸炎の原因である、細菌やウイルスの感染経路のほとんどは口から入ってくるものです。夏場の食中毒による急性腸炎は食品の鮮度に注意する事は有名ですが、加熱すれば大丈夫といった誤解も多く感染の減少を見ません。
黄色ブドウ球菌から出る毒素のエンテロトキシン等分解されない物も多々ありますので、食品の鮮度や温度管理などに注意が必要です。お肉を切ったまな板の後、そのまま同じまな板や包丁で野菜を調理する事なども菌の増殖を招きますので、調理方法の工夫、調理器具の清潔を保つ事も大切です。
冬場のノロウイルスも生カキ等の貝類の摂取から感染する事が殆どです。しかし、ノロウイルスの場合は感染した人から人へと接触感染、飛沫感染、空気感染の経路をたどって広がっていきますので、食品を十分に加熱して食べる事はもちろんの事、感染した場合にはそれを広げないといった対策も十分に行わなければなりません。
ノロウイルス対策
ノロウイルスは非常に感染力が強く、体内に10個から100個程度のウイルスの侵入があるだけで急性腸炎を引き起こします。感染した人の糞便には1gに10億個のウイルスが存在しますので、その爆発的増殖力は計り知れません。
感染者の汗以外の排出物にはウイルスの存在があります。ですから、くしゃみなどでのウイルスの拡散が起き、唾液などで汚染された摺などを触った手から口腔にウイルスが侵入する、飛沫、接触感染が最も多い感染ルートになります。
糞便や吐しゃ物を除去した後、完全に除去しきれておらず、蒸発した水分などにウイルスが乗って拡散する空気感染もみられます。ノロウイルスはアルコールや消毒薬では死滅させることができません。
有効なのは次亜塩素酸の希釈液です。2%ほどに薄めたハイターが有効ですので、家庭内にノロウイルスの感染者がいるときは、吐しゃ物や排便の後始末はもちろんの事、徹底して人が手で触る部分の消毒を行う事で、感染の拡大を防ぐことができます。
感染対策を行う際は、可能な限り使い捨ての手袋やエプロンを使用しましょう。汚染された衣類などは個別に洗い、乾燥機にかけることをお勧めします。布団などは日光に十分当てて乾燥する事が出来ない場合は、布団乾燥機やアイロンをかけるとその代用ができます。
ノロウイルス対策 手洗い、うがい、マスク
子どもが行うべき感染対策は、手洗い、うがい、マスクの着用です。特にマスクは子供の場合よく手で触ってしまったり、つけたり外したりしてしまうので、マスク自体が感染源となりがちです。一日に数枚使い捨てて使うよう指導する事が大切です。
大人の場合でも、午前・午後と取り換えた方が有効です。手洗いうがいは頻繁に、マスクはケチケチしない事。感染者が家庭内にいるときは徹底的な次亜塩素酸消毒を行う事がノロウイルス感染を予防する基本です。
まとめ
子供の急性腸炎!予防と対策を学ぶ
急性腸炎とは
夏場に多い細菌感染による急性胃腸炎
冬場に多いウイルス感染による急性胃腸炎
急性腸炎の予防対策 食品
ノロウイルス対策
ノロウイルス対策 手洗い、うがい、マスク