「再び増加傾向にあるくる病から子供を守るために(前編)」では、くる病の発症原因についてご説明いたしました。後編では、くる病の検査方法や治療方法についてご説明いたします。
また、 くる病 は骨の変形があらわれる前に予防することがとても大切な疾患です。
再び増加傾向にあるくる病から子供を守るために(後編)
くる病の検査方法とは
くる病の検査は、血液検査とX線検査を中心に行います。血液検査では、血中のビタミンD、リン、カルシウムの減少を調べます。ALP(アルカリホスファターゼ)という酵素の値が上昇していないかも合わせて調べます。
X線検査では、異常のある骨の部位を特定、検査します。骨に異常があると先端が欠けて見えます。
通常、骨は白く写りますが、くる病を発症していると灰色を帯びているように写るという特徴もあります。足の骨、背骨などがどれくらい変形しているかやそれぞれの骨自体の形を確認していきます。
くる病は治療できるの?
くる病によって骨が変形してしまうと、骨を固定したり手術によって矯正したりすることになります。骨の変形が大きくなる前に早期治療を開始することが非常に重要となります。
くる病の治療では、ビタミンDの内服を中心に行います。リンやカルシウムが大きく不足している場合は、リンやカルシウムの内服を行うこともあります。
家族性低リン血性ビタミンD抵抗性くる病では、ビタミンDやリンの内服とともに、成長ホルモンを用いることもあります。骨の変形があるときは骨切術を行い、骨を正しい形に修正していきます。
くる病の予防のためにできること
くる病は骨の変形があらわれる前に、予防や治療を行うことが非常に大切です。遺伝性のくる病以外では栄養と日光の不足が主な原因となります。バランスのよい栄養摂取と適度に日光を浴びることが大切です。
毎日の食事では、豆腐や牛乳などカルシウムやリンが多く含まれている食品を積極的に摂取するようにしましょう。ひとつの食材だけで一日に必要な量を補うのは難しいので、バランスよく少しずついろいろな食材を摂るようにしましょう。
ビタミンDは秋刀魚や鮭、しめじ、卵などに多く含まれています。秋刀魚や鮭ならば一切れ食べることで一日分のビタミンDを摂ることができます。ビタミンDの摂取を頭において、毎日の献立を工夫してみると良いでしょう。
まとめ
再び増加傾向にあるくる病から子供を守るために(後編)
くる病の検査方法とは
くる病は治療できるの?
くる病の予防のためにできること