クループ 症候群は初期に風邪のような症状から始まり、 咽頭炎 によって突然の呼吸困難、喘息様のゼイゼイ、ヒュウヒュウまたはケンケンといった特異的な呼吸症状を示します。
症状に気づかないまま放置していると気道が遮られ、呼吸困難によって死に至ることもあるため、小児における病気の中でも特に気をつけるべき病気の一つです。
子供のクループ症候群における咽頭炎症状
クループ症候群とは
赤ちゃんなど乳幼児に多く見られる病気です。ウイルスや細菌感染によって引き起こされる症状の総称で、初期症状は風邪に類似しています。症状の進行の後、気道の入口に当たる咽頭に炎症を起こした場合に特徴的な呼吸音を発するようになります。
気管が炎症によって腫れることにより気道が塞がれ、そのままにしておくと呼吸困難に陥ってしまい、命に関わることもあります。発症においては9月から12月に多く、そのうちの多くが夜間に症状の出現、悪化が見受けられる傾向があります。
そのような傾向についてはホルモンバランスが関与しているとも言われていますが、詳しい原因はわかっていません。
症状の原因
主な症状の原因は、パラインフルエンザと呼ばれるウイルスの感染によるものが多数を占めています。その他にも様々なウイルスや細菌によって発症することがあり、特に細菌性クループはウイルス性クループに比べて急性症状に陥りやすく、進行も早いため早急な治療が必要となります。
上記の他にも症状を繰り返す痙性クループや進行が早く危機的な状況に陥りやすい急性喉頭蓋炎、細菌性気管支炎があり、極まれにジフテリアが原因の場合もあります。
症状の見分け方
ウイルス性クループや痙性クループ
初期の症状は風邪に類似しており、数日前から微熱や軽微な咳などが起こります。その期間を経て引き続き、ケンケンといった犬の吠様咳やゼイゼイ・ヒュウヒュウといった吸気性喘鳴(息を吸ったり吐いたした時に発する枯声音)を発するようになります。
症状が比較的軽微で、治療法もいたって簡単に済むことが多く自然治癒することもあります。
細菌性気管支炎
ウイルス性クループ同様に風邪に似た症状が見受けられますが、高熱が出てその後の症状が急速に悪化します。1か月から6歳の子供に好発し、症状が重くなることが多いため、入院して抗生物質などの投与による治療が行われます。
症状によって酸素の吸入や気道確保のための挿管が行われる場合もあります。
急性喉頭蓋炎
2歳から6歳に好発し、初期症状における症状が見受けられない場合が多くあります。急激に発症し、それが原因により炎症を起こし気管の圧迫が進行することによって窒息死する場合があります。
喉の痛みが起こり物を飲み込むことが困難になるほか、大泣きや興奮状態によって呼吸停止が起こる可能性もあるため、子供の不安を払拭する努力も必要です。こちらも細菌性気管支炎と同様の治療・対症が行われます。
ジフテリア
最近では3種混合ワクチンの接種が行われていることもあり、年間の発症者人数は数例にしか及んでいませんが、その予防接種がまだ完了していない場合は注意が不必要です。
上記に類似する症状が見受けられますが、特に極めて強い呼吸障害が出現することから、非常に重篤な疾患です。
病気の対処法
ウイルス性・痙性クループにおいては症状が軽く、自然治癒することもあります。しかし、夜間に発症することが多いためそれによって子供の睡眠が妨げられてしまいます。少しでも症状の緩和・進行を防ぐために病院を受診し、専門医に診断してもらいましょう。
自己判断による家庭治療は受診した後の行うことが得策です。呼吸困難になり唇や顔の色などが紫色や蒼白になっている場合はチアノーゼを起こしているため、躊躇せず即急に救急車を呼びましょう。
治療後の家庭での経過
症状の緩和には家庭で加湿を行うことが有効とされています。特に冬場は乾燥しやすく症状が出現しやすい時期でもあります。その時には加湿器を用いたり、ない場合にはお風呂でドアを開けて暖かいシャワーを出したりすることでその代用になります。
また冷たい空気を吸入することも炎症を緩和することにつながります。一時的に外に出て冷たい空気を吸わせ、室内では冷蔵庫の扉を開けた近くで呼吸をさせると症状が緩和します。ただしこの場合は症状によっては悪化することもあるため、様子を見て行いましょう。
どの時も縦抱きをさせた状態で呼吸が楽にできる態勢を取らせることが大切です。また症状の悪化によって呼吸困難が起こることもあるため、治療中はできる限り観察するようにしましょう。
まとめ
子供のクループ症候群における咽頭炎症状
クループ症候群とは
症状の原因
症状の見分け方
病気の対処法
治療後の家庭での経過