風邪だと思っていたのに、急に犬の遠吠えのようなおかしなせきが出始めたら、それが クループ のサインです。クループは恐ろしい病気ではなく、死に至ったり、後遺症が残ったりする、ということはほとんどありません。
しかし、赤ちゃんや小さな子どもの場合は、病状が急変することも少なくないので、十分注意をすることが大切です。
それではクループの症状とケア方法について詳しく見ていきましょう。
犬の遠吠えのようなせきが特徴のクループ。その症状とケア方法は?
クループの症状
クループは別名・急性喉頭炎(きゅうせいこうとうえん)といいます。その名の通り、喉頭(のど)が炎症を起こす病気です。
クループは、発熱、鼻水、のどの痛みといった風邪の症状から始まります。そして、喉頭や気管に炎症が起き、のどの粘膜が腫れていきます。気道が狭くなるので、声がかれたり、呼吸が苦しくなったりすることもあります。
また、犬の遠吠えのようなせきが出ます。この、「犬の遠吠えのようなせき」はクループ特有の症状で、「ケンケン」といった苦しそうなせきや、息を吸い込むときに「ヒューヒュー」という大きな音が出るのが特徴です。
クループは、日中と夜間とで症状の程度が変わることがよくあり、昼間はそれほど症状が出なくても、夜になると症状が悪化する場合があります。ですので、夜は特に注意をして経過を見守ることが大切です。
クループの症状がひどくなると、呼吸困難を起こしたり、唇や爪が紫色になるチアノーゼを起こしたりすることがあります。赤ちゃんや小さな子どもの場合は、症状が急変することもありますので、十分に注意をしましょう。
クループの原因
クループは大抵の場合、ウィルスに飛沫感染することによって感染し発症します。原因ウィルスは、パラインフルエンザウィルスや、RSウィルス、アデノウィルス、インフルエンザウィルスなどです。
まれに細菌が原因でクループを発症することがあります。この場合、ウィルスが原因のクループに比べ、急速に症状が悪化したり、重症化したりすることが少なくありません。死に至る危険もありますので、早めに病院を受診することが大切です。
ヒブに感染してクループを発症した場合には、特に注意が必要です。のどの炎症は急速に悪化して、気管をふさいでしまうことがあります。その結果、呼吸困難に陥ってしまうことがありますので、すぐに入院をして治療をすることが必要です。
クループの治療とケア
クループの原因は大抵の場合、パラインフルエンザウィルスなどのウィルスですので、ウィルスに効く特効薬はありません。そのため、症状に合わせた治療を行うことになります。
クループの症状の程度は様々ですが、症状が軽い場合には、基本的に自宅治療をします。安静を心がけ、水分不足にならないようこまめに水分を与えます。
症状が出ている間は呼吸が苦しいので、室内が乾燥しないように注意しましょう。加湿器を使ったり、洗濯物を室内に干したりするだけでも、呼吸はとても楽になります。
軽症の場合は、湿度を高く保つだけで、症状が大幅に改善することもあります。また、頭を高くして寝ると楽になることもあります。
こうした自宅治療を続けていけば、大抵の場合3~5日で回復します。
症状が重い場合には、ステロイド剤や血管収縮剤を使用することもあります。これらを使用することで、痰が出やすくなったり、気道の炎症が和らいだりして、呼吸が楽になります。また、入院をして酸素吸入を行う場合もあります。
細菌性の場合は、進行が速いので、すぐに入院をして治療を行います。抗生物質を使用し、呼吸状態に十分に気を付けて経過を見守っていきます。酸素吸入が必要な場合もあります。
病院受診の目安
赤ちゃんや小さな子どもは、症状が急変して呼吸困難を起こすことがありますので、犬の遠吠えのような「ケンケン」といったクループ特有のせきが出始めたら、すぐに病院を受診します。
クループの症状は夜間に悪化することが良くありますので、その場合は、夜間でもすぐに夜間対応の病院を受診しましょう。
まとめ
犬の遠吠えのようなせきが特徴のクループ。その症状とケア方法は?
クループの症状
クループの原因
クループの治療とケア
病院受診の目安