「膠原病という病名を耳にしたことはあるけれど、それぞれ病状が違っていた」という経験のある方はありませんか。膠原病は一つの病名ではなく、皮膚や内臓の結合組織や血管に炎症や変性を起こしてさまざまな臓器に炎症を起こす病気の総称なのです。
膠原病 の初期 症状とは についてご紹介いたします。
風邪に似て早期発見が困難な膠原病の初期症状とは
膠原病とは
膠原病は真皮・靭帯・腱・骨・軟骨などを構成するコラーゲンに全身的に炎症を生じるさまざまな疾患の総称です。
関節リウマチは代表的な膠原病ですが、関節リウマチの患者数がその他の膠原病の患者数の総数より多いこととその他の膠原病に比較して内臓や皮膚の病変が少ないことから他の膠原病と区別されることがあります。
ただし、関節リウマチもその他の膠原病も自分の持っている免疫機能が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患なので、合併することは珍しくありません。
小児膠原病とは
大人の罹る膠原病が一つの病気を指すものではないのと同じように、小児膠原病も複数の疾患の総称です。自分の持っている免疫機能が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患であることも同じです。
異物を認識して排除する働きをするはずの免疫系が自分自身の正常な細胞や組織に対して攻撃を加えてしまうのです。
小児膠原病は大人がかかる膠原病にはない症状が出ることがあります。また、年齢が低いほど症状が重いという厄介な点があります。
小児膠原病の主な種類と症状
若年性突発性関節炎は以前には若年性関節リウマチと呼ばれていた疾患で、炎症を起こした関節が痛むものです。
全身性エリテマトーデスは全身の臓器に炎症が起きる疾患です。皮膚の症状として最もよく知られているのは頬にできる赤い発疹で、蝶が羽を広げたような形をしていることから蝶型紅斑と呼ばれることがあります。
若年性皮膚筋炎、多発性筋炎は皮膚や筋肉に炎症が起きる疾患です。手の指や肘関節、膝関節の外側の紅斑や上瞼の腫れぼったい紅斑などの皮膚症状があるものは若年性皮膚筋炎と呼ばれています。
一方、多発性筋炎は主に体幹や四肢、頸筋、咽頭筋などの筋力低下をきたす疾患です。
混合性結合組織病は血管の炎症や皮膚硬化、肺線維症を起こす疾患です。
シェーグレン症候群は涙や唾液を作る涙腺や唾液腺などの外分泌腺に慢性的な炎症が生じる疾患で目や口が乾燥してしまいます。発症のピークは50歳代にありますが、子供から高齢者までさまざまな年代で発症することが知られています。
ベーチェット病は口腔粘膜、皮膚、目、外陰部の4つに炎症が現れる疾患です。その他の症状として中枢神経症状、消化器症状、血栓性静脈炎や動脈瘤などの血管症状などと多彩です。関節症状を認める場合もあります。
小児膠原病の初期症状
小児膠原病の初期症状は風邪や胃腸炎の症状に非常に似ていることが多いために早期発見がなかなか難しいと言われています。
発熱・咳・腹痛・下痢・倦怠感・手足の痛み・関節痛などの症状が1か月以上も続くようであれば、かかりつけの小児科医に相談の上、アレルギー学会認定医の受診をお勧めします。
風邪症状が長引いたり、処方された風邪薬を服用しても一向によくならないということがあれば、お子さんに「口内炎や結膜炎がないか」・「指先が変色していないか」・「発疹がないか」という3点をチェックしてみてください。
また、それらの症状は慢性的な経過をたどることが多いと言われており、一時的に軽くなったり、再び重くなったりすることがあります。
全身性エリテマトーデスや強皮症、皮膚筋炎などは最初に皮膚に症状が出ます。中でもレイノー現象は冬期に手足の指が白くなったり紫になったりするもので、しもやけに間違われやすいですが、強皮症の初期症状です。
まとめ
風邪に似て早期発見が困難な膠原病の初期症状とは
膠原病とは
小児膠原病とは
小児膠原病の主な種類と症状
小児膠原病の初期症状