膠原病は自己免疫疾患といって自分がもっている免疫機能が自分自身の細胞を攻撃してしまう病気です。小児膠原病は単に大人がかかる膠原病に子供がかかるということではなく、大人にない膠原病の症状が小児膠原病にはある場合があります。
小児 膠原病 の 症状 についてご紹介いたします。
大人にはない症状もある小児膠原病
小児膠原病とは
大人がかかる膠原病が複数の疾患を総称したものであるのと同様に、小児膠原病も複数の疾患の総称です。
具体的には若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性皮膚筋炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病などがあげられます。
原因は自分がもっている免疫機能が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患であるとされていますが、なぜ、自己免疫疾患が起きるかという根本的なところは、現在のところ解明されていません。
根本的な原因が解明されていないために、治療もステロイドや免疫抑制剤を使用して自己抗体を抑制するという対症療法になっています。内服薬での治療が主になってきますが、症状が重い場合には、大量のステロイドを点滴するパルス療法が行われることもあります。
小児膠原病の症状
若年性特発性関節炎
国際リウマチ学会小児リウマチ常任委員会は1994年に若年性特発性関節炎を「16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の関節炎で、他の病因によるものを除外したもの」と定義しています。
全身型、少関節型など7つ以上の型に分類されますが、発熱・関節痛・関節腫脹・筋肉痛・咽頭痛・朝のこわばり・可動域の制限などがみられることが多いとされています。
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスは紅斑性狼瘡(こうはんせいろうそう)と呼ばれる皮疹を特徴とし、発熱や倦怠感などを伴う全身性炎症性疾患です。
小児全身性エリテマトーデスは16歳未満に発症したものを指しますが、一般的に大人と比べて、急性で重症例が多いことが知られています。
発症早期から蝶型紅斑がみられ、診断の契機となることが多いようです。口内炎が上口蓋にみられることが多いのですが、無痛であるため気づかないことがあると言います。
若年性皮膚筋炎
若年性皮膚筋炎は16歳未満で発症し、特徴的な皮疹と対称的筋力低下を主症状とする慢性炎症性疾患です。発熱・倦怠感などを伴うことが多いとされています。
筋力低下がみられる場合はつまずきやすくなった・会談で転ぶようになったなどという軽微なものから、寝返り不能・寝たきりなど重度なものまであると言います。
特徴的な皮疹である紅斑は上瞼、手の甲、肘、膝、頬、胸などに好発することが多いのですが、手のひらにできることもあります。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は全身の外分泌腺が系統的に障害されることが特徴です。外分泌腺の中でも特に涙腺と唾液腺の障害が多く、進行すると、涙液が減少して眼が乾燥したり、唾液が減少して口が乾燥したりします。
上述の症状は必ずしも自覚されるとはかぎらず、羞明感や眼の異物感、虫歯の増加、口内炎の多発などの症状が現れることの方が多いようです。
ベーチェット病
ベーチェット病は反復する口内炎・皮膚症状・外陰部潰瘍などの皮膚粘膜症状とブドウ膜炎という眼の症状を特徴とする慢性疾患です。
小児ベーチェット病は大人と比べて消化器潰瘍などの消化器症状が出ることが多く、皮膚症状や外陰部潰瘍や眼症状が少ないことが報告されています。
確定診断の出る数年前から口腔潰瘍がみられ、その後その他の症状が出て診断に至ることが多いようです。繰り返す口内炎など口腔潰瘍には留意すべきです。
小児膠原病の初期症状
膠原病がさまざまな疾患を総称した病気であることから、膠原病の早期発見はなかなか難しいと言われています。初期症状は胃腸炎や風邪と似ているとも言われています。
初期症状として気をつけたいのは、湿疹・咳・下痢・手足の痛みなどとされていますが、ひとつずつはありふれた症状であると言えるでしょう。とりわけ、指先の変色・発疹・結膜炎・口内炎という4つの症状があるときは要注意だとされています。
心配なことがあれば、かかりつけの小児科医に相談の上、専門医を受診することをお勧めします。
まとめ
大人にはない症状もある小児膠原病
小児膠原病とは
小児膠原病の症状
小児膠原病の初期症状