子供がかかるから小児膠原病と簡単に片づける訳にはいきません。大人がかかる膠原病ではみられない症状が子供の 膠原病 で出る場合もあります。低年齢の子供ほど症状が重症化します。
初期 症状 をおさえて適切な診察を受けられるように心がけてみましょう。
膠原病の初期症状をご存知ですか?
膠原病は何が原因で発症するのか?
現時点で原因に関しては大人の膠原病と同様に解明されていません。自分が持っている自己免疫機能が自身の細胞を攻撃してしまい体の至る所で問題を起こし、細胞を壊死させてしまう病気です。
本来、免疫とは自分の身体とそれ以外のものとを区別し、自己以外のウィルスや細菌を攻撃し、排除しなければならないものです。
この免疫システムが正常に作動している時は問題ありませんが、まれにその免疫システムが異常を起こした時、これを自己免疫疾患と呼び、その代表的な病気のひとつとして膠原病があげられます。
小児膠原病の症状
若年性特発性関節炎・全身性エリテマトーデス・若年性皮膚筋炎・多発性筋炎・混合性結合組織病・シェーグレン症候群・ベーチェット病など大人がかかる膠原病は全て子供でも発症の可能性があります。
- 若年性特発性関節炎とは、少し前まで若年性関節リウマチと言われていました。炎症を起こし関節痛を起こす病気です。
- 全身性エリテマトーデスとは、すべての臓器に炎症が起きる疾患です。
- 若年性皮膚筋炎・多発性筋炎とは、筋肉と皮膚に炎症が発症する疾患です。
- 混合性結合組織病とは、血管病変や炎症病変、皮膚硬化や肺線維症を発症する病気です。
- シェーグレン症候群とは、腺細胞からの分泌物の量が減少し目や口が乾燥する病気です。
- ベーチェット病とは、口腔粘膜、皮膚、眼、外陰部などに炎症があらわれる病気です。
膠原病の診断方法
主な検査として血液検査です。赤血球・白血球・C反応性蛋白の数に異常がないか調べます。次に尿検査です。肝臓・膵臓に異常があると糖尿・尿蛋白・潜血であらわれます。
さらに抗体検も受けます。「抗核抗体」・「リウマトイド因子」と呼ばれる自分自身を攻撃してしまう抗体ができていないかを確認する検査です。これで陽性反応が出ると自己免疫疾患と言えます。続いてX線検査で臓器に炎症が発症していないかを調べます。
加えて超音波検査で、身体への負担を軽減させて腹部周辺の臓器撮影検査を行います。最後に生検です。患部の一部を採取しその細胞の状態を顕微鏡で確認します。さまざまな検査結果と症状をみて膠原病であるかどうかの診断をします。
治療方法
難病と言われる小児膠原病も大人の膠原病と同様に原因が明確になっていないので、行われる治療といっても絶対に完治に結びつく可能性のある方法がないのが実状なのです。
小児膠原病の治療もステロイドや免疫抑制剤を使用した自己抗体の作用を抑制する対症療法にほかなりません。
おもに薬は内服で使用されるのが一般的ですが、症状が重い場合はパルス療法という点滴で大量のステロイドを体に入れる方法が取られることも実際にはあります。
日常生活での注意点
各自症状によって多少日常生活での注意点は異なりますが、すべてに共通する項目をあげるとすれば次の通りです。
規則正しい生活をする。疲労やストレスをためないようにする。栄養バランスの良い食事を心がける。外出時は紫外線に注意する。体調管理を意識する。それ以外に医師の指示があればそれに準じた生活をするようにしてください。
小児膠原病の治療は大人のものと比較しても難しいのは事実です。使用できる薬の種類や量も制限がかかってきます。この病気で治療に不可欠な薬として副腎皮質ホルモン=ステロイドがあり、加えて免疫抑制剤もあげられます。
しかしこれらの薬は症状を抑えてはくれますが、その反面、成長過程の最中にある子供にとって副作用が大きいので、大人以上に考えて治療方法をとらなければならないことを認識する必要があります。
まとめ
膠原病の初期症状をご存知ですか?
膠原病は何が原因で発症するのか?
小児膠原病の症状
膠原病の診断方法
治療方法
日常生活での注意点